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猫 (Cat) 感染症 中等度

猫好酸球性角結膜炎

Feline Eosinophilic Keratoconjunctivitis / 猫好酸球性角結膜炎

概要

好酸球と肥満細胞が角膜・結膜に浸潤し、隆起した白〜ピンク色のカッテージチーズ様プラークを(多くは輪部、特に背外側から)形成する猫特有の増殖性角膜炎。原発感染ではなく、猫ヘルペスウイルス1型と強く関連する免疫介在性反応である。細胞診で好酸球・肥満細胞を確認することが診断的。慢性・再発性で、治癒よりも長期的な免疫調節による管理を要する。

主な症状

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臨床徴候

猫好酸球性角結膜炎の臨床徴候は罹患部位(角膜・結膜・前房・水晶体・網膜)と病態により異なる。結膜炎: 結膜充血・分泌物・流涙・眼瞼痙攣。角膜潰瘍: 流涙・眼瞼痙攣・羞明・角膜混濁(蛍光染色陽性)。緑内障: 急性眼痛・角膜浮腫・散瞳・眼球膨大・視覚消失。白内障: 水晶体混濁による進行性視覚障害。網膜疾患: 夜盲先行の進行性視覚障害(PRA等)・急性視覚消失(網膜剥離)。

原因

免疫介在性の好酸球・肥満細胞による角膜・結膜への浸潤。多くの症例で猫ヘルペスウイルス1型(FHV-1)と強く関連する。正確な誘因は不明だが、ウイルスの直接的細胞融解ではなく、異常な過敏反応と考えられる。明確な品種・性別素因はない。

病態生理

FHV-1抗原などの刺激に対する異常な過敏反応として、好酸球・肥満細胞・リンパ球が角膜輪部から角膜・結膜実質へ浸潤する。肥満細胞の脱顆粒と好酸球由来の顆粒蛋白(主要塩基性蛋白等)が角膜上皮・実質を傷害し、表層血管新生と肉芽様の増殖を促す。その結果、特徴的な白〜ピンクの隆起性プラーク(カッテージチーズ様)と眼脂・眼瞼痙攣を生じる。直接的なウイルス血症や全身播種を起こす疾患ではなく、局所の免疫病理が本態である。ステロイドが奏効するが、FHV-1再活性化を助長しうるため抗ウイルス薬の併用やシクロスポリンへの切替えが考慮される。

診断

片眼性または両眼性の角膜白濁・血管新生・乳白色斑状病変を認める。結膜充血・眼脂を伴う。角膜擦過細胞診で好酸球の集簇を確認(確定診断)。フルオレセイン染色で角膜上皮欠損を評価。FHV-1 PCR検査でヘルペスウイルス関与を評価(併発が多い)。シルマー涙液試験で涙液量を測定。角膜潰瘍、角膜腐骨(セクエストラム)、真菌性角膜炎との鑑別が必要。

治療

免疫調節が中心。デキサメタゾン0.1%またはプレドニゾロン酢酸エステル1%点眼(q6-8h→反応をみて漸減)。FHV-1関連が多いため、ステロイドによる再活性化を抑える目的でファムシクロビル90mg/kg PO q8-12h併用、または角膜潰瘍がある場合はステロイドを避けシクロスポリン0.2%点眼q12hやタクロリムス0.03%点眼を選択。難治例には酢酸メゲストロール点眼。多くは再発性で生涯にわたる間欠的管理を要する。治療開始前にフルオレセイン染色で潰瘍の有無を必ず確認。

予防

FHV-1の再活性化誘因(ストレス・過密飼育・不要なステロイド全身投与)の回避。FHV-1ワクチン接種。再発の早期発見のための定期的眼科チェックと、症状再燃時の早期受診。

予後

適切な免疫調節治療で病変はよく制御でき視機能予後は良好だが、再発性・慢性で長期管理を要する。治療中断で再燃しやすい。広範な角膜瘢痕・血管新生が残ると視力に影響しうる。

関連する薬品

💊 プレドニゾロン 💊 デキサメタゾン 💊 酢酸メゲストロール

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