角膜壊死(角膜分離症)
概要
猫に特有の限局性角膜実質壊死で、琥珀色〜黒色のプラークとして(多くは中央〜傍中央に)現れる。慢性的な角膜刺激(FHV-1、眼瞼内反、睫毛異常、慢性潰瘍)と強く関連し、短頭種(ペルシャ・ヒマラヤン・バーミーズ)に好発する。多くは有痛性で周囲に浮腫と血管新生を伴い、分離片は自然脱落することも深部へ進行することもある。
主な症状
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原因
慢性的な角膜刺激と虚血:猫ヘルペスウイルス1型(主要な関連因子)、眼瞼形態異常(眼瞼内反・睫毛異常)、慢性の非治癒性潰瘍、涙液不足、短頭種体型に伴う露出性角膜症。遺伝的/品種素因(ペルシャ・ヒマラヤン・バーミーズ)。
病態生理
猫に特有の限局性角膜実質壊死で、慢性刺激・虚血・FHV-1感染を契機に生じる。失活した実質コラーゲンに褐黒色の色素(涙液成分/ポルフィリン由来と考えられる)が沈着し、境界明瞭な分離片(sequestrum)を形成する。角膜は壊死片を排出しようとして周囲に浮腫・血管新生・白血球反応を生じる。広範な場合は分離片がデスメ膜方向に深化し穿孔のリスクとなる。
治療
猫における角膜壊死(角膜分離症)の治療: 外科的切除が根治療法: 表層角膜切除術(keratectomy)で壊死組織を除去。深部病変: 切除後に結膜フラップ被覆術または角膜移植片。術前・術後: オフロキサシン点眼0.3% q6h(二次感染予防)、アトロピン点眼1% q12-24h(毛様体筋弛緩・疼痛軽減、心拍数モニタリング)。全身疼痛管理: ブプレノルフィン0.01-0.03mg/kg 経口粘膜投与q6-8h。エリザベスカラー装着必須。FHV-1関連の場合: ファムシクロビル40-90mg/kg PO q8-12hまたはL-リジン500mg PO q24h。角膜保護: ヒアルロン酸点眼q4-6h。モニタリング: 術後1・2・4週にフルオレセイン染色、角膜治癒評価。ペルシャ・ヒマラヤンに好発。
予防
角膜壊死(角膜分離症)の予防: 定期的な眼科検査。環境中の刺激物(粉塵、アンモニア)の低減。外傷予防。基礎疾患(高血圧等)の管理。
予後
角膜壊死(角膜分離症)の予後: 早期治療で視機能温存可能。慢性疾患は長期管理が必要。網膜疾患は不可逆的な場合がある。
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