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💉 モルモットの鎮静・麻酔プロトコル

Guinea Pig — 8プロトコル

概要:モルモットは気管挿管が極めて困難(口腔が小さく、口蓋帆が大きい)。声門上気道デバイス(V-gel)が推奨される。チオペンタールは致死的心停止を起こすため禁忌。ビタミンC欠乏に注意(周術期にビタミンC 50-100 mg/kg SC補充を検討)。
⏱ 絶食・絶水:絶食不要(嘔吐できない)。

鎮静 Sedation

鎮静(検査・軽処置) 低リスク
薬品用量経路備考
ミダゾラム+ブトルファノール 0.5-1.0 mg/kg + 0.4-0.8 mg/kg IM/SC 安全性が高い。軽度の鎮静に適する。
📝 モルモットはストレスに弱い。静かな環境で、同居個体の匂いがついたタオルを使用すると安心。

前投薬 Premedication

前投薬 低リスク
薬品用量経路備考
ミダゾラム+ブプレノルフィン 0.5-1 mg/kg + 0.03-0.05 mg/kg SC/IM 安全性が高い。ブプレノルフィンは長時間鎮痛。
デクスメデトミジン+ブトルファノール 20-40 µg/kg + 0.2-0.5 mg/kg SC/IM より深い鎮静。アティパメゾールで拮抗可能。IV確保時に有用。
📝 モルモットへの注射はストレスが大きい。できるだけ1回で必要な薬剤を混合して投与(同一シリンジ)。チオペンタールは禁忌。

導入 Induction

注射麻酔+吸入維持 中リスク
薬品用量経路備考
ケタミン+メデトミジン 40 mg/kg + 0.3 mg/kg IP/IM アティパメゾールで拮抗可。吸入麻酔への移行を推奨。
アルファキサロン 5-10 mg/kg IM/IP 注射量が多いがIM投与可。覚醒時に興奮することがある。
イソフルラン(マスク/チャンバー) Induction: 3-4%, Maintenance: 1.5-3% Inhalation モルモットは息止め(breath holding)をするため、チャンバー導入に時間がかかることがある。
📝 気管挿管が困難なため、V-gel(モルモット用)の使用を推奨。気管挿管を試みる場合は14-16G IV catheterをETチューブ代わりに使用。

維持 Maintenance

維持(吸入麻酔) 中リスク
薬品用量経路備考
イソフルラン 1.5-3% Mask / V-gel / ET tube V-gel(声門上デバイス)が推奨。気管挿管は極めて困難。マスク維持も可能だが、気道確保の信頼性が低い。
📝 モルモットの気管挿管は口腔が小さく口蓋帆が大きいため、盲目挿管またはV-gelが標準。術中はビタミンC補充(50 mg/kg SC)を検討。

局所・区域麻酔 Local/Regional

局所・区域麻酔 低リスク
薬品用量経路備考
リドカイン Max 5 mg/kg Local infiltration 創傷処置、腫瘤切除に使用。小型のため総用量に注意。
EMLAクリーム Thin layer Topical IV留置前の皮膚表面麻酔。30分以上前に塗布。
📝 モルモットの疼痛評価は難しい(隠す傾向)。術後鎮痛はメロキシカム0.5-1 mg/kg PO/SC q24hが標準。

モニタリング Monitoring

モニタリング・回復 低リスク
📝 覚醒後すぐに乾草と水を提供。術後鎮痛: メロキシカム0.5-1.0 mg/kg PO/SC q24h。ビタミンC 50 mg/kg SC/PO。同居個体と早期に戻す(社会的動物)。

覚醒 Recovery

覚醒・回復 中リスク
薬品用量経路備考
アティパメゾール 1 mg/kg IM/SC メデトミジン/デクスメデトミジン使用時の拮抗薬。鎮痛も拮抗するため、他の鎮痛を確保後に投与。
📝 低体温予防が最優先。加温パッド(直接接触回避)で28-30°Cを維持。術後はビタミンC補充(50 mg/kg SC)を推奨。覚醒後すぐに牧草と水を提供(GI stasis予防)。覚醒時の興奮で骨折リスクあり(モルモットの骨は脆い)。

緊急対応 Emergency

緊急対応 高リスク
薬品用量経路備考
ドキサプラム 2-5 mg/kg IV/IP 呼吸停止時の第一選択。
エピネフリン 0.003-0.01 mg/kg IP/IO CPA時。チオペンタールは絶対禁忌(致死的心停止)。
グリコピロレート 0.01-0.02 mg/kg SC/IM 徐脈時。アトロピンより副作用が少ない。
📝 モルモットのCPR: 胸骨を指先で圧迫(100-120/min)。100% O2でバッグバルブマスク換気。気管挿管困難なためマスク換気が現実的。

📚 参考文献(モルモット全般)

  • Flecknell PA. Laboratory Animal Anaesthesia. 4th ed. Academic Press; 2015.
  • Lichtenberger M, Ko J. Anesthesia and analgesia for small mammals and birds. Vet Clin North Am Exot Anim Pract. 2007;10(2):293-315.
  • Longley LA. Anaesthesia of Exotic Pets. Saunders Elsevier; 2008.
  • Quesenberry KE, Orcutt CJ, Mans C, Carpenter JW, eds. Ferrets, Rabbits, and Rodents: Clinical Medicine and Surgery. 4th ed. Elsevier; 2020.
  • Hawkins MG, Pascoe PJ. Cavia porcellus (Guinea Pig). In: West G et al., eds. Zoo Animal and Wildlife Immobilization and Anesthesia. 2nd ed. Wiley-Blackwell; 2014.

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※ 本ページの麻酔プロトコル・用量は獣医学的参考資料であり、麻酔管理の代替ではありません。各症例のASA分類・併存疾患を評価し、必ず獣医師の判断のもとで実施してください。
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