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💉 両生類の鎮静・麻酔プロトコル

Amphibian — 9プロトコル

概要:両生類(カエル、イモリ、サンショウウオ等)は皮膚呼吸を行い、経皮的に薬物を吸収する。麻酔は水中浸漬法(MS-222等)が標準。皮膚を乾燥させない。手袋は粉なしを使用(皮膚毒性)。体温管理は水温で行う。
⏱ 絶食・絶水:24-48時間絶食(消化管内容物の排出促進のため)。

鎮静 Sedation

鎮静(検査・軽処置) 低リスク
薬品用量経路備考
MS-222(低用量) 0.5-1 g/L (buffered to pH 7.0) Immersion 低用量で鎮静。遊泳活動の低下と色調変化が指標。検査・写真撮影・軽処置に。正向反射は保たれる。
📝 両生類の鎮静は低用量の浸漬麻酔で実施。皮膚を常に湿潤に保つ。脱塩素水を使用。手袋は粉なし(皮膚毒性)。

前投薬 Premedication

前投薬 低リスク
薬品用量経路備考
ブトルファノール 0.5-1 mg/kg SC (dorsal lymph sac) / IM 背側リンパ嚢に投与。浸漬麻酔前の鎮痛として使用。手術侵襲が大きい場合に推奨。
📝 両生類の前投薬はオピオイド鎮痛が主。浸漬麻酔の30分前に投与。両生類の疼痛評価は困難だが、鎮痛は倫理的に必須。

導入 Induction

浸漬麻酔(標準法) 中リスク
薬品用量経路備考
MS-222(トリカイン) 1-3 g/L (buffered to pH 7.0) Immersion 最も広く使用される両生類麻酔薬。重炭酸ナトリウムでpH 7.0にバッファー(未バッファーは組織障害)。深さは外刺激への反応消失で判定。
オイゲノール(クローブオイル) 50-100 mg/L Immersion MS-222の代替。安価。pH調整不要。
イソフルラン(局所/浸漬) 0.5-1 mL/L water Topical / Immersion 皮膚からの吸収で麻酔。小型両生類に有効。
📝 浸漬麻酔中は定期的に(5分毎)体位変換し、皮膚の乾燥を防ぐ。脱塩素水(カルキ抜き)を使用。麻酔深度は正向反射消失→外刺激反応消失→角膜反射消失の順に深くなる。
注射麻酔(大型種・浸漬困難時) 中リスク
薬品用量経路備考
アルファキサロン 10-20 mg/kg SC (dorsal lymph sac) / IM 背側リンパ嚢への皮下注射が一般的。IM投与も可能。
ケタミン 50-150 mg/kg SC / IM / dorsal lymph sac 用量が高い。覚醒が遅延する場合あり。
📝 両生類は皮膚が非常にデリケート。常に湿潤状態を維持し、直接手で触れる場合は手を水で濡らす。

維持 Maintenance

術中管理 中リスク
📝 手術は湿らせたガーゼの上で実施。皮膚の乾燥を防ぐため、定期的に脱塩素水をスプレー。麻酔維持が必要な場合は低用量MS-222含有水で湿らせたガーゼを体表に置く。長時間手術では酸素化した水で皮膚を灌流。

局所・区域麻酔 Local/Regional

局所麻酔・鎮痛 低リスク
薬品用量経路備考
リドカイン(局所) Max 5 mg/kg Topical / Local infiltration (dorsal lymph sac) 経皮吸収可能(両生類の皮膚は透過性が高い)。創傷部位への局所塗布。背側リンパ嚢への浸潤も可能。
📝 両生類の皮膚は薬物透過性が高いため、局所麻酔薬の経皮吸収が起こる。全身毒性に注意。術後鎮痛: メロキシカム0.2 mg/kg SC/背側リンパ嚢 q24h。

モニタリング Monitoring

モニタリング・回復 低リスク
📝 回復: 新鮮な脱塩素水に移す。正向反射の回復を確認。低酸素耐性は高いが、長時間の浸漬は肺水腫リスク。完全回復まで浅い水で監視。

覚醒 Recovery

覚醒・回復 中リスク
📝 回復: 新鮮な脱塩素水に移す。正向反射の回復を確認。皮膚を常に湿潤に保つ。完全回復まで浅い水で監視。回復時間: MS-222は5-30分、注射麻酔は数時間。術後鎮痛: メロキシカム0.2 mg/kg SC/ICe q24h。

緊急対応 Emergency

緊急対応 高リスク
薬品用量経路備考
エピネフリン 0.1-0.5 mg/kg IC / dorsal lymph sac CPA時。背側リンパ嚢への投与が最もアクセスしやすい。心臓内投与も可能(カエル: 腹側正中)。
ドキサプラム 5 mg/kg Dorsal lymph sac / IM 呼吸停止時。
📝 両生類のCPR: 新鮮水に移し、皮膚を湿潤に保つ。口腔/鰓への水流で酸素化。心臓マッサージは腹側から軽い圧迫。低体温個体は加温(飼育適温上限)してから死亡判定。

📚 参考文献(両生類全般)

  • Wright KN, Whitaker BR. Amphibian Medicine and Captive Husbandry. Krieger Publishing; 2001.
  • Chai N. Surgery in amphibians. Vet Clin North Am Exot Anim Pract. 2016;19(1):77-95.
  • West G, Heard D, Caulkett N, eds. Zoo Animal and Wildlife Immobilization and Anesthesia. 2nd ed. Wiley-Blackwell; 2014.
  • Cakir M, Kilinc IT. Evaluation of tricaine methanesulfonate (MS-222) in different amphibian species. J Hell Vet Med Soc. 2021;72(3):3287-3294.

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※ 本ページの麻酔プロトコル・用量は獣医学的参考資料であり、麻酔管理の代替ではありません。各症例のASA分類・併存疾患を評価し、必ず獣医師の判断のもとで実施してください。
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