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💉 オウムの鎮静・麻酔プロトコル

Parrot — 8プロトコル

概要:オウム類(コンゴウインコ、ヨウム、キバタン等)は中〜大型鳥類(200g-1.5kg)。噛む力が非常に強く、保定に注意。イソフルラン吸入が標準。気管挿管は中大型種では可能。アフリカングレイ(ヨウム)はカルシウム代謝異常と呼吸器感染症が多い。
⏱ 絶食・絶水:中型(200-500g): 2-4時間。大型(>500g): 4-6時間。そのう確認。

鎮静 Sedation

鎮静(検査・軽処置) 低リスク
薬品用量経路備考
ミダゾラム+ブトルファノール 1-2 mg/kg + 1-2 mg/kg IM (pectoral) 大型オウム(ヨウム、コンゴウインコ等)のIM鎮静。噛傷リスクがあるため、保定技術に習熟が必要。
イソフルラン(マスク) 3-5% induction → 1-2% maintenance Mask マスク鎮静。大型オウムはマスクから逃げようとするため、迅速な装着が必要。
📝 大型オウムの噛む力は非常に強い(コンゴウインコ: 500-700 psi)。鎮静なしの保定は重大な噛傷リスク。攻撃的な個体にはタオルレストレント後にIM注射。

前投薬 Premedication

注射麻酔(補助的) 中リスク
薬品用量経路備考
ミダゾラム+ブトルファノール 0.5-1.0 mg/kg + 1-2 mg/kg IM 前投薬として使用。吸入麻酔薬の必要量を削減。
ケタミン+ミダゾラム 10-20 mg/kg + 0.5-1.0 mg/kg IM 攻撃的で保定困難な場合に使用。覚醒が粗い場合あり。
📝 IM注射は胸筋に26-27G針で。上腕骨は鳥類で含気骨(空気で満たされた骨)のため、上腕部への深い注射は骨折リスクがある。

導入 Induction

吸入麻酔 中リスク
薬品用量経路備考
イソフルラン Induction: 3-5%, Maintenance: 1.5-3% Mask → ET tube マスクで導入後、非カフETチューブで挿管(中大型種)。コンゴウインコ: 5-6mm、ヨウム: 4-5mm、オカメインコ: 2.5-3mm。
📝 大型オウムの保定は厚手の手袋を使用。嘴による重度の咬傷リスクあり。頸部を圧迫しないよう注意(気管の圧迫で窒息)。

維持 Maintenance

維持(吸入麻酔) 中リスク
薬品用量経路備考
イソフルラン 1-3% Non-cuffed ET tube 大型オウムは気管挿管容易。非カフETチューブ必須。2.5-5.0 mmサイズ(種による)。IPPV準備。
セボフルラン 2-4% Non-cuffed ET tube やや速い覚醒。コスト高。
📝 ヨウム(アフリカングレイ)は低カルシウム血症リスクが高い。術中のカルシウム低下による心停止に注意。10%グルコン酸カルシウム50-100 mg/kg IV slowを準備。

局所・区域麻酔 Local/Regional

局所・区域麻酔 低リスク
薬品用量経路備考
リドカイン Max 4 mg/kg Local infiltration / nerve block 翼骨折修復、嗉嚢切開術、腫瘤切除に使用。0.5%に希釈。大型オウムは体格に合わせて用量計算。
ブピバカイン Max 2 mg/kg Local infiltration 長時間鎮痛。整形外科手術に有用。
📝 大型オウムの整形外科手術(翼骨折、断脚)では局所麻酔ブロックが術後疼痛管理に重要。術後鎮痛: メロキシカム0.5-1 mg/kg PO/IM q12-24h。

モニタリング Monitoring

モニタリング・回復 低リスク
📝 覚醒は速い(2-5分)。暗い静かな環境(インキュベーター30-32°C)で。大型オウムは覚醒時に暴れることがあるため、止まり木を除去しパッドで保護。

覚醒 Recovery

覚醒・回復 中リスク
📝 覚醒は速い(2-5分)。暗い静かな環境のインキュベーター(28-32°C)で。大型オウムは覚醒時に暴れて翼を損傷することがあるため、パッドで保護。止まり木は除去。ヨウム(アフリカングレイ)は覚醒時のストレスで羽毛引き抜きが悪化することがある。

緊急対応 Emergency

緊急対応 高リスク
薬品用量経路備考
エピネフリン 0.01-0.1 mg/kg IV/IO/IT CPA時。IO: 脛足根骨または上腕骨遠位端。大型オウムでは血管アクセスが容易。
ドキサプラム 5-10 mg/kg IV/IO 呼吸停止時。
アトロピン 0.02-0.05 mg/kg IV/IO/IM 徐脈時。
📝 大型オウムのCPR: 竜骨を圧迫(1-2回/sec)。気管挿管してIPPV(100% O2)。ヨウム(アフリカングレイ)はカルシウム低下による心停止リスクがあり、10%グルコン酸カルシウム50-100 mg/kg IV slowを検討。

📚 参考文献(オウム全般)

  • Lierz M, Korbel R. Anesthesia and analgesia in birds. J Exot Pet Med. 2012;21(1):44-58.
  • Longley LA. Anaesthesia of Exotic Pets. Saunders Elsevier; 2008.
  • Carpenter JW. Exotic Animal Formulary. 6th ed. Elsevier; 2023.
  • Hawkins MG, Paul-Murphy JR. Avian analgesia. Vet Clin North Am Exot Anim Pract. 2011;14(1):61-80.
  • Curro TG. Anesthesia of pet birds. Semin Avian Exot Pet Med. 1998;7(1):10-21.

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※ 本ページの麻酔プロトコル・用量は獣医学的参考資料であり、麻酔管理の代替ではありません。各症例のASA分類・併存疾患を評価し、必ず獣医師の判断のもとで実施してください。
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