偽妊娠
概要
妊娠を模倣するホルモン性疾患で、巣作りや毛むしりが見られ、約16〜18日間持続します。
主な症状
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臨床徴候
ウサギにおける偽妊娠の臨床徴候は生殖器病態により異なる。子宮蓋膿症: 多飲多尿・嘔吐・元気消失・腹部膨満・陰部分泌物(開放型)または無症候進行(閉鎖型)。乳腺炎: 乳房腫脹・疼痛・発熱・乳汁異常。前立腺疾患: 排尿困難・血尿・排便困難・後肢跛行。難産: 分娩遷延・努責持続・分娩間隔異常・母体ぐったり。妊娠中毒症: 終末期妊娠の元気消失・食欲不振・神経症状。
原因
ウサギは交尾排卵動物であり、交尾刺激がない場合、黄体が退縮せずプロゲステロンを継続分泌して偽妊娠症状を呈する。未避妊メスで加齢に伴い卵巣嚢胞・子宮内膜過形成を併発することが多い。
病態生理
偽妊娠は交尾刺激不足による黄体の非退縮から生じ、プロゲステロンの継続分泌が巣作り行動・乳腺発達・性格変化を引き起こす。通常16-18日で自然消退するが、反復する偽妊娠により慢性プロゲステロン刺激が続き、卵巣嚢胞・子宮内膜過形成・子宮腺癌のリスクが劇的に増加(5-6歳で80%超)。
診断
巣作り行動・腹部膨満・乳腺腫大・毛抜き行動の臨床徴候を確認。腹部超音波で妊娠(胎仔の確認)を除外—超音波では妊娠10日目以降で胎嚢が描出可能。腹部X線で胎仔骨格の石灰化(妊娠21日目以降)を確認し偽妊娠と鑑別。プロゲステロン値測定(黄体機能評価)。子宮内膜過形成・子宮水腫の合併を超音波で評価。通常16-18日で自然消退。繰り返す場合は卵巣子宮摘出術を推奨。行動歴(他ウサギとの接触)を聴取。
治療
ウサギの偽妊娠の治療: 初回エピソード: 1) 巣作り材料提供で行動欲求充足。2) 毛玉による消化管閉塞に注意(牧草増加、シメチコン10-15 mg/kg PO q8h)。3) 冷罨法(乳腺腫脹著しい場合、10-15分)。4) メロキシカム0.3-0.6 mg/kg PO q24h。5) ストレス軽減のため静かな環境。反復する場合(2-3ヶ月以内に再発): デスロレリン2.1-4.7 mg SC(4-12週間効果)、または避妊手術(OHE)を強く推奨(子宮腺癌予防: 未避妊メスの生涯リスク80%超)。術前検査: 血液検査・心臓エコー。術後: メロキシカム0.3-0.5 mg/kg PO q24h × 5-7日、強制給餌検討。
予防
繁殖予定がない場合は避妊手術(OHE)が最も効果的で、反復的な偽妊娠と子宮腺癌リスクを完全に排除。繁殖予定がある場合は適切な栄養・ストレス軽減、3-4歳以上で6-12ヶ月毎の超音波検査推奨。
予後
避妊手術で予後良好。未避妊メスの生涯子宮腺癌リスク: 80%超(5-6歳時)。反復的偽妊娠は予後を悪化させる。
関連する薬品
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