卵巣嚢胞
概要
卵巣上の液体貯留嚢胞で、ホルモン異常と未避妊メスの行動変化を引き起こします。
主な症状
原因
ウサギにおける卵巣嚢胞の原因: 未避妊のメスウサギに加齢とともに発生頻度が増加する。持続的なホルモン刺激(ウサギは交尾排卵動物であり、排卵が起こらないと卵胞が退縮せず嚢胞化しやすい)が主因。子宮腺癌など他の生殖器疾患との併発も多い。遺伝的素因、肥満、繁殖歴のないメスで特にリスクが高い。
病態生理
卵巣嚢胞はウサギにおける生殖器疾患である。ウサギは交尾排卵動物(交尾刺激がないと排卵しない)であり、未排卵の卵胞が退縮せず持続的にエストロゲンを分泌し嚢胞化する。嚢胞からの持続的エストロゲン分泌は子宮内膜過形成・子宮腺癌のリスクを増加させる。高エストロゲン血症は骨髄抑制による再生不良性貧血を引き起こしうる。大型嚢胞は腹腔内臓器を圧迫し、食欲低下や排尿障害の原因となる。子宮疾患との併発が高率にみられる。
治療
ウサギにおける卵巣嚢胞の治療: 卵巣子宮摘出術(避妊手術)が根治的治療であり、子宮腺癌の予防も兼ねるため強く推奨される。手術リスクが高い場合はデスロレリン(GnRHアゴニストインプラント)による一時的なホルモン抑制が選択肢となる。超音波ガイド下の嚢胞穿刺吸引は再発率が高い。術前検査として血液検査・レントゲンで全身状態を評価。術後はメロキシカム(0.3-0.5 mg/kg PO q24h)による疼痛管理と早期の食事再開が重要。
予防
卵巣嚢胞の予防には適切な飼育管理、種に合ったバランスの取れた栄養、定期的な健康診断、ストレスの最小化、清潔な生活環境の維持、初期臨床徴候への迅速な対応が含まれる。
予後
卵巣嚢胞の予後は適切な管理により一般的にやや良好〜良好である。早期診断された症例の多くは治療に良好に反応する。慢性例や再発例では長期管理が必要だが、概ね許容できるQOLを維持できる。定期的なモニタリングにより合併症の早期発見・対処が可能となる。
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