ジアルジア症
概要
ジアルジア・デュオデナリスによる原虫感染で、間欠的な下痢と吸収不良を引き起こします。
主な症状
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臨床徴候
ウサギにおけるジアルジア症の臨床徴候は寄生虫種・寄生部位・寄生数により異なる。消化管寄生では下痢・嘔吐・体重減少・腹部膨満、外部寄生では掻痒・脱毛・皮膚炎、心血管寄生では咳・運動不耐性・腹水、血液寄生では貧血・発熱・元気消失を呈する。幼若・栄養不良個体では重症化しやすく、慢性経過では発育不良が顕著となる。
原因
消化器系組織に感染する寄生虫が原因。感染期(卵・オーシスト・幼虫)の経口摂取・直接接触・ベクター・経皮侵入で伝播。不衛生・屋外曝露・免疫抑制・ストレスが素因。ウサギの食性が特定の寄生虫生活環への曝露を増加させうる。
病態生理
寄生虫は経口摂取・皮膚穿通・ベクター媒介によりウサギの消化器系組織に感染を確立する。寄生体は直接的な機械的損傷・栄養競合・免疫病理学的反応を通じて宿主組織を損傷する。寄生体段階の周囲に好酸球性・肉芽腫性炎症が発生する。慢性感染は組織線維化と臓器機能障害に至る。
診断
慢性軟便・体重減少・若齢ウサギの発育不良から疑診。糞便直接鏡検またはショ糖浮遊法でGiardia属シストを検出。糞便抗原ELISA(SNAP Giardia)で迅速診断。間欠排泄のため3日間連続採便が推奨。CBC/生化学で低アルブミン血症・脱水所見。後腸発酵動物のため盲腸機能への影響を評価。鑑別にコクシジウム、大腸菌症、クリプトスポリジウムを考慮。人獣共通感染症として衛生指導。
治療
ウサギのジアルジア症(Giardia duodenalis、集合群Bが最多)— 小腸上皮の原虫感染。【診断】: 硫酸亜鉛遠心浮遊法による糞便浮遊(標準砂糖浮遊法ではシストを見逃す可能性)、直接糞便塗抹(新鮮下痢便中の栄養型)、糞便抗原ELISA(SNAPジアルジアテスト — 高感度)。間欠的排出のため1回の陰性では除外不可 — 3日連続検査。【駆虫治療】: フェンベンダゾール20 mg/kg PO q24h×5日間(第一選択 — ウサギに安全で忍容性良好、E. cuniculiと同薬)。代替: メトロニダゾール20 mg/kg PO q12h×5-7日間(慎重に — 高用量で神経毒性リスク: 前庭障害、けいれん)。ウサギにチニダゾール・アルベンダゾールは使用しない(安全性データ限定的)。【支持療法】: 下痢による脱水にSC輸液(乳酸リンゲル50-100 mL SC q24h)。チモシー牧草自由摂食(繊維が盲腸の健康に重要 — 正常な盲腸フローラ維持)。プロバイオティクス: Saccharomyces boulardiiまたはBene-Bac。重度下痢+GI stasis: メトクロプラミド0.5-1.0 mg/kg PO/SC q6-8h+シサプリド0.5-1.0 mg/kg PO q8-12h。大腸炎成分があればコレスチラミン2 g/20 mL水 PO q24h(毒素吸着剤)。疼痛管理: メロキシカム0.3-0.5 mg/kg PO q24h。【環境消毒(重要 — シストは環境抵抗性)】: 第四級アンモニウムまたはスチーム洗浄(漂白剤はジアルジアシストに効果低い)。寝具は全て除去・交換。水ボトル/皿を毎日洗浄。糞便付着時は会陰部を洗浄(グルーミングからの再感染予防)。接触した全ウサギを治療。治療後1週間で糞便再検査。【人獣共通】: 集合群Bはヒトに感染可能 — 手指衛生を指導。経口ペニシリン系は絶対禁忌。参考文献: Harcourt-Brown (2002); Quesenberry & Carpenter (2012); Oglesbee (2011).
予防
予防には適切な飼育管理(適切な食事・清潔な環境・最適な温湿度);定期的な獣医師の健康診断;新規動物の検疫;ストレス軽減;種特異的予防措置が含まれる
予後
適切な駆虫薬治療で予後は一般的に良好。重度感染や免疫不全ウサギでは予後不良となりうる。環境消毒と再感染予防が長期的な予後改善に重要。定期的な糞便検査と予防的駆虫が推奨される。
関連する薬品
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