ツメダニ症
概要
体表に寄生するダニで、過剰なフケ(歩くフケ)、軽度の掻痒感、斑状脱毛を引き起こします。
主な症状
原因
毒性物質の摂取・吸入・経皮吸収により組織の細胞障害が引き起こされる。原因物質には農薬、重金属、有毒植物、医薬品の過量投与、家庭用化学物質、食品中の有害成分が含まれる。毒性の発現は用量依存性であり、体格・種差・個体の代謝能力・曝露経路・曝露時間により重症度が大きく異なる。肝臓と腎臓が主要な標的臓器となる。
病態生理
毒性物質は細胞レベルで複数の機序により障害を引き起こす。直接的な細胞膜破壊、ミトコンドリア電子伝達系の阻害、酵素活性の不可逆的阻害、DNA損傷、酸化ストレスの誘導が主要な病態生理学的機序である。肝臓では薬物代謝酵素(CYP450)による活性代謝物の生成が毒性を増強する場合がある。臓器選択的な毒性は組織特異的な代謝経路と薬物トランスポーターの分布に依存する。
治療
ツメダニ(Cheyletiella parasitovorax)「歩くフケ」— 皮膚表面に生息する大型非穿孔性ダニ。セロテープ法(罹患部に貼付、顕微鏡検査 — 大型ダニと顕著な触肢爪が可視)、皮膚掻爬、酢酸テープ圧着法で診断。被毛上のダニと虫卵が拡大鏡で可視(「歩くフケ」— 動く白い薄片)。【治療】: イベルメクチン0.2-0.4 mg/kg SC q14日×3回(第一選択 — 全身性アベルメクチンが最も効果的)。代替: セラメクチン(レボリューション)6-18 mg/kg外用q28日×3回。モキシデクチン0.2 mg/kg SC/外用スポットオンq14日×3回。石灰硫黄浴2-3%を週1回×6週間(補助療法として有効)。フィプロニルは絶対使用しない(ウサギに致死的)。ペルメトリンも禁忌(ウサギに有毒)。ノミ取り首輪は禁忌(有機リン/ピレスロイドの長期曝露による毒性リスク)。【環境消毒】: Cheyletiellaはオフホストで最大10日生存。飼育エリア全体を徹底洗浄、寝具交換。カーペット・ソフト家具を掃除機。接触した全動物を治療(犬猫含む — Cheyletiellaは種間伝播可能)。【人獣共通】: ヒトに一過性の丘疹性皮膚炎を引き起こす(動物治療後に自然治癒するが強い掻痒を伴うことがある)。オーナーに告知し症状があれば医療相談を推奨。【支持療法】: 重度フケ+二次細菌感染: クロルヘキシジン0.05%局所洗浄。重度掻痒にメロキシカム0.3-0.5 mg/kg PO q24h。衰弱時は栄養サポート。参考文献: Harcourt-Brown (2002); Varga (2014); Meredith & Flecknell (2006).
予防
毒性物質へのアクセス防止が最も重要な予防策である。有毒植物の除去、農薬・殺鼠剤・清掃用品の安全な保管、人間用医薬品の動物への不適切な使用防止、種特異的な食品毒性の理解(犬のチョコレート・ブドウ、猫のユリ等)が必要である。飼い主教育により誤食事故の大部分は予防可能である。環境中の化学物質への慢性的曝露にも注意が必要である。
予後
適切な駆虫薬治療で予後良好。環境管理なしでは再感染の可能性あり。
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