肺水腫
概要
心疾患・毒素・感染による肺内液体貯留。
主な症状
※ 症状をクリックすると、その症状を示すインコの他の疾患を確認できます
臨床徴候
インコにおける肺水腫の臨床徴候は気道閉塞・換気障害の部位により異なる。上気道: いびき・吸気性ストライダー・運動不耐性・吸気性チアノーゼ。気管: 短く乾性の発作的咳(gander-honk)・ストライダー(気管虚脱)。下気道: 慢性咳・呼気性呼吸困難・喘鳴・換気不全(喘息・COPD様病態)。突発的悪化はストレス・運動・気温変化で誘発される。
原因
インコにおける肺水腫の原因: 心疾患・毒素・感染による肺内液体貯留。
病態生理
肺水腫はインコにおける循環器疾患である。心臓、大血管、または末梢血管系の構造的・機能的異常を伴う。心拍出量の低下、弁膜機能障害、調律異常により組織灌流が障害される。代償機構(神経ホルモン活性化、心室リモデリング)が一時的に機能を維持するが、進行性の心筋劣化を引き起こす。心不全、血栓塞栓症、突然死が進行期疾患の潜在的結果である。
診断
聴診で湿性ラ音を確認。X線で肺野の間質〜肺胞パターン(びまん性混濁)を評価。心エコーで心機能低下(心原性肺水腫の評価)を確認。CBC・生化学で全身状態と臓器障害を評価。血液ガス分析で低酸素血症を確認。PTFE(テフロン)加熱ガス・煙・有毒ガスへの曝露歴を聴取(非心原性肺水腫)。インコ類では肺水腫はテフロン中毒・煙吸入・心不全・重度感染に伴い発症し、鳥類の気嚢システムの効率的ガス交換が毒性ガスの影響を増幅する。酸素療法と原因治療の同時実施が必要である。
治療
【緊急】鳥類の肺は硬性(膨張/収縮なし); 肺水腫は急速に致死的。直ちに酸素補給(フローバイまたは保育器、過度のハンドリングを避ける)。フロセミド0.1-0.2 mg/kg IM q4-6h(急性期)、その後q12h維持 — 脱水をモニタリング。基礎原因を特定: 心原性(最も一般的 — 心エコー)、中毒性(PTFE/テフロンガス吸入、煙)、感染性(重度肺炎/気嚢炎)、医原性(輸液過負荷)。心原性: ジゴキシン0.02 mg/kg PO q12h、エナラプリル1.25 mg/kg PO q12-24h(鳥類データ限定)。PTFE中毒: 直ちに新鮮な空気に移動、デキサメタゾン2 mg/kg IM単回投与、酸素、予後は要注意〜不良。感染性: エンロフロキサシン15 mg/kg IM q12h。高張食塩水(3%)ネブライゼーションで液体動員を補助。輸液を最小限に — IV/IO過水和を避ける。保温(28-30°C)。鳥を直立位に保持(側臥位で保定しない)。メロキシカム0.5 mg/kg IM q12-24h。連続レントゲンq12-24hで反応を評価。参考文献: Tully et al. 2009, Forbes 2015。
予防
肺水腫の予防: 定期健診。適切な栄養。ストレス軽減。早期受診。
予後
肺水腫の予後: 早期治療で多くは良好。定期モニタリングで管理可能。
関連する薬品
※ 薬品名をクリックすると詳細な投与量・副作用情報を確認できます
呼吸器の他の疾患(インコ)
VetDictでインコの鑑別診断を行う
症状チェッカーを使う関連する疾患
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。