ポリオーマウイルス感染症
概要
若齢セキセイインコに致死的なウイルス感染症で、急死、出血、臓器不全を引き起こす。
主な症状
原因
インコにおけるポリオーマウイルス感染症の原因: 若齢セキセイインコに致死的なウイルス感染症で、急死、出血、臓器不全を引き起こす。
病態生理
ポリオーマウイルス感染症はインコにおけるウイルス感染症である。ウイルスは特定の受容体を介して宿主細胞に侵入し、細胞内機構を利用して複製する。直接的な細胞変性効果(細胞溶解、アポトーシス、標的臓器の組織壊死)を引き起こす。自然免疫(インターフェロン、NK細胞)および適応免疫(抗体、細胞性免疫)の宿主免疫応答が免疫病理に寄与することがある。ウイルス血症により病原体が複数の臓器系に播種される可能性があり、免疫抑制により二次的な細菌・真菌感染のリスクが高まる。
治療
鳥ポリオーマウイルス(APV)— 特異的抗ウイルス療法なし。新生〜幼齢セキセイインコ(幼鳥病)で高致死性。感染雛の死亡率はほぼ100%。【支持療法(唯一の治療)】: 温乳酸リンゲルまたはプラズマライト50-100 mL/kg/日 SC/IO — 低体温予防のため温輸液(38°C)使用。育雛温度は雛32-35°C、幼鳥28-30°C。手乗り育成フード(ケイティー・エグザクトまたはRoudybush)で経管/挿管給餌: 雛は2-4時間毎、幼鳥は4-6時間毎、1回最大体重の10%。【二次感染(免疫抑制で多発)】: エンロフロキサシン15 mg/kg PO/IM q12h×10-14日間(第一選択広域抗菌薬)。真菌感染疑いにイトラコナゾール5-10 mg/kg PO q24h。【疼痛/炎症】: メロキシカム0.5-1 mg/kg PO q12-24h(脱水患者では慎重に)。【診断】: 血液・総排泄腔/鼻孔スワブ・剖検組織(肝・腎・脾)でPCR検査。成鳥キャリアには血清学。【バイオセキュリティ(重要 — 羽毛粉・糞・そ嚢分泌物・卵垂直感染で伝播)】: 感染鳥を即座に隔離。10%漂白剤、第四級アンモニウム、またはクロルヘキシジン2%で環境を完全消毒。新規鳥は60-90日検疫+PCR検査。繁殖ペア: 両親検査、感染ペアは繁殖から引退。【ワクチン(米国のみ、入手困難)】: Psittimune APVワクチン(Biomune/Zoetis)— 35日齢で2回接種、5週後追加。母鳥抗体移行が雛を一定保護。参考文献: Ritchie BW (1995) Avian Viruses; Forshaw D et al. (1981) Avian Pathol; Gerlach H (1994) Avian Medicine and Surgery.
予防
ポリオーマウイルス感染症の予防にはワクチン接種(利用可能な場合)、新規・病気動物の隔離、厳格なバイオセキュリティ対策、適切な消毒プロトコル、既知のキャリアや汚染環境との接触回避が含まれる。
予後
ポリオーマウイルス感染症の予後: 支持療法で多くが回復。
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