アボカド中毒
概要
アボカドに含まれるペルシンによる心筋壊死と呼吸不全。
主な症状
原因
インコにおけるアボカド中毒の原因: アボカドに含まれるペルシンによる心筋壊死と呼吸不全。
病態生理
アボカド中毒はインコにおける中毒性疾患である。有害物質の経口摂取、吸入、または経皮吸収により中毒障害が生じる。毒素は酵素阻害、受容体干渉、酸化的損傷、直接的な細胞毒性などの特定のメカニズムを通じて細胞プロセスを障害する。標的臓器は毒素により異なるが、肝臓(生体内変換)、腎臓(排泄)、神経系、消化管が一般的である。用量依存的に無症候性変化から劇症型臓器不全まで幅広い影響を及ぼす。
治療
アボカド(Persea americana)中毒 — アボカド植物全部位(果肉、皮、種、葉、樹皮、種子)に含まれる油溶性殺菌性毒素「ペルシン」が、鳥において心筋壊死と重度呼吸障害を引き起こす。全オウム類が高感受性;セキセイインコは極少量で中毒発症。臨床徴候は摂取後15-30分〜48時間で発現 — 急性死が多い(特に新鮮果実曝露)。【即座の緊急処置】: 温輸液(LRS)50 mL/kg IV/IOボーラス、維持80-100 mL/kg/日。酸素(吸入40-60%)— 呼吸障害と肺水腫が一般的。ハンドリング最小化(ストレスで悪化)。温暖環境(28-30°C)。【除染(摂取後1-2時間以内のみ有効)】: 麻酔下(イソフルラン)でそ嚢洗浄 — 柔らかいゴムカテーテルをそ嚢に慎重に挿入、温生食で洗浄し可視アボカドを除去。活性炭1-3 g/kg PO q6h×24時間(ペルシンへの効果限定的だが吸着に寄与する可能性)。ペルシンに特異的解毒剤は存在しない。【心機能サポート(心筋障害が主病態)】: ピモベンダン0.25 mg/kg PO q12h — 強心薬(鳥類でのエビデンス限定的だが哺乳類から外挿)。肺水腫/CHFにフロセミド1-2 mg/kg IM/IV q12h。心不全発症時ACE阻害薬(エナラプリル0.25 mg/kg PO q24h)。ECGで不整脈モニタリング — VPCにリドカイン1-2 mg/kg IV緩徐。【抗炎症】: メロキシカム1 mg/kg PO/SC q24h。【支持療法】: 安定後Harrison's Recovery Formulaでチューブ給餌。吐き戻し中の誤嚥疑いに予防的抗菌薬: エンロフロキサシン15 mg/kg IM q24h。【モニタリング】: 連続X線、ECG、心エコー。可能なら心筋トロポニンI(心筋損傷マーカー)。【予防(主要管理)】: オーナー教育 — 絶対にアボカドのいかなる部分も鳥に与えない。ペット鳥のアクセス可能な家庭・庭からアボカド植物を除去。成分表確認(グアカモーレ、サラダドレッシング、ベビーフードにアボカド含有の可能性)。市販鳥用餌にはアボカドは使用されていない。【予後】: 要注意〜不良 — 死亡率高く、生存者でも永続的心障害の可能性。参考文献: Hargis AM et al. (1989) Avian Dis; Shropshire CM et al. (1992) JAVMA; LaBonde J (1993) J Assoc Avian Vets. [ECVN:Block] 【補助療法オプション — Equine & Canine Vet Nutrition (caninevet.jp)】 • For Antioxidant (アスタキサンチン+SOD+VitE+システイン): 抗酸化・慢性疾患免疫サポート
予防
アボカド中毒の予防には有毒物質へのアクセス制限・除去、ペット安全な製品の使用、環境からの有毒植物の除去、薬剤・化学物質の適切な保管、屋外アクセス時の監視、種固有の中毒に関する飼い主教育が必要である。
予後
アボカド中毒の予後: 治療開始時間による。
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