鳥型結核症
概要
鳥型結核菌による慢性感染症で、進行性の削痩、肉芽腫、臓器病変を引き起こす。
主な症状
原因
病原体(細菌・ウイルス・真菌・原虫)の感染が直接的な原因であり、宿主の免疫力低下、過密飼育、不衛生な環境、慢性的ストレス、栄養不良、併発疾患が感染リスクを著しく増大させる。病原体の毒力と宿主の免疫応答のバランスが発症と重症度を決定する。若齢・老齢個体や免疫抑制状態では感染が重篤化しやすい傾向にある。
病態生理
病原体が宿主の防御機構を突破して組織に定着すると感染が成立する。病原体の毒素産生、組織侵入、細胞内寄生により直接的な組織障害が生じる。同時に宿主の免疫応答(炎症反���・補体活性化・サイトカインカスケード)が活性化されるが、過剰な免疫応答自体が組織損傷の原因となる場合がある。全身性炎症反応症候群(SIRS)から敗血症性ショック・多臓器不全への進行が最も危険な病態である。
治療
治療は議論が多く推奨されないことが多い: (1)人獣共通感染症リスク(Mycobacterium avium complex—免疫不全者に危険)、(2)極めて長期の治療(12-18ヶ月以上)、(3)治癒の保証なし。治療を試みる場合: 多剤併用が必須—リファンピシン15-30 mg/kg PO q12h+エタンブトール15-30 mg/kg PO q12h+アジスロマイシン40-80 mg/kg PO q24-48h(3剤併用)。フルオロキノロン(エンロフロキサシン15 mg/kg PO q12h)追加プロトコルもあり。最低12-18ヶ月の連続投与。支持療法: バランスペレット食、保温、悪液質時は強制給餌。多くの鳥類獣医は治療より安楽死を推奨: 人獣共通リスク、治療中も慢性排出、長期予後不良、小鳥での長期多剤レジメンの困難と費用。安楽死を辞退する場合: 他の鳥・免疫不全者からの厳格な隔離、取扱い時手袋着用、ケージの徹底消毒。糞便の抗酸菌染色でモニタリング。予後は極めて不良—治療にもかかわらず大部分が死亡。参考: Tell LA et al. (2001); Lennox AM (2007) J Avian Med Surg.
予防
適切なワクチネーションプログラムの実施、衛生的な飼育環境の維持、新規導入動物の検疫期間の設定が基本的予防策である。過密飼育の回避、適切な栄養管理による免疫力の維持、ストレス軽減も重要である。感染動物との接触を避け、汚染された器具や環境の消毒を徹底する。定期的な健康診断による早期発見と早期治療が蔓延防止に不可欠である。
予後
疾患の重症度、治療開始の早さ、治療反応により異なる。早期の適切な治療介入で一般に予後改善。
関連する薬品
※ 薬品辞書で詳細な投与量・副作用情報を確認できます
感染症の他の疾患(インコ)
VetDictでインコの鑑別診断を行う
症状チェッカーを使う関連する疾患
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。