脊髄くも膜憩室
概要
脊柱管内の液体で満たされた嚢胞が脊髄を圧迫し、進行性の後肢の衰弱を引き起こします。
主な症状
原因
先天性のくも膜の癒着/肥厚、後天性の外傷・炎症後の癒着。パグ・フレンチブルドッグ(頸部型)、ロットワイラー(胸腰部型)に報告多い。中年犬に多い。
病態生理
くも膜と硬膜の間にCSF充満腔が形成→脊髄の背側圧迫→進行性の上位運動ニューロン型後肢不全麻痺・運動失調。C1〜C3(頸部)とT12〜L2(胸腰部)に好発。MRIで背側の嚢胞性病変として描出。緩徐に進行。
治療
外科的治療が第一選択:椎弓切除術(laminectomy)+嚢胞壁切除/有袋化(marsupialization)。くも膜下くも膜嚢胞による脊髄圧迫を解除。術前MRI(T2高信号の嚢胞性病変)で正確な位置・範囲評価。保存療法は軽症例に限定:ガバペンチン(5-10 mg/kg PO q8-12h)、プレドニゾロン(0.5-1 mg/kg PO q24h 短期)、運動制限。外科後の神経回復は数週〜数ヶ月。好発:ロットワイラー、パグ(C2-C3多い)。術後リハビリ(水中トレッドミル等)で回復促進。Ref: Rylander et al. 2002, Gnirs et al. 2003. [ECVN:Block] 【補助療法オプション — Equine & Canine Vet Nutrition (caninevet.jp)】 • MSM+アミノコンプリート (MSM+必須アミノ酸(BCAA中心)): 組織修復・筋肉維持・肝腎栄養サポート • Relax & CBD (フルスペクトラムCBD): 慢性疼痛・不安・難治性てんかん・緩和ケア • Booster & Relax (アダプトゲン+Bビタミン複合体): ウイルス後回復・内分泌疾患エネルギー補給・高齢期慢性疲労 ※MSM+アミノコンプリート: 重度肝・腎不全は蛋白負荷に留意 ※Relax & CBD: 肝代謝(CYP450)薬物相互作用に注意
予防
確実な予防法はない。進行性の後肢運動失調ではMRIで精査。外科的嚢胞有窓術(marsupialization)で改善。
予後
予後は原疾患の種類、神経障害の重症度・部位、治療への反応性に大きく依存する。感染性・免疫介在性の神経疾患は早期の積極的治療により機能回復が期待できる場合がある。変性性神経疾患は進行性であり完治困難であるが、支持療法とリハビリテーションにより機能低下の速度を遅延させることが可能である。重度の脊髄損傷や脳幹病変では予後不良となる。
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