← トップへ戻る
犬 (Dog) 神経 軽度

脊髄くも膜憩室

Spinal Arachnoid Diverticulum / 脊髄くも膜憩室

概要

脊柱管内の液体で満たされた嚢胞が脊髄を圧迫し、進行性の後肢の衰弱を引き起こします。

主な症状

※ 症状をクリックすると、その症状を示す犬の他の疾患を確認できます

臨床徴候

犬における脊髄くも膜憩室の臨床徴候は罹患部位(前脳・脳幹・小脳・脊髄・末梢神経)により局在化所見を示す。前脳: 発作・行動変化・盲目・周徊・運動失調。脳幹: 脳神経障害・運動失調・意識障害。小脳: 企図振戦・低測定運動失調・広基歩行。脊髄: 四肢麻痺/対麻痺・排尿障害・反射異常(病変高位で異なる)。末梢神経: 筋萎縮・反射低下・遠位部優位の弛緩性麻痺。

原因

先天性のくも膜の癒着/肥厚、後天性の外傷・炎症後の癒着。パグ・フレンチブルドッグ(頸部型)、ロットワイラー(胸腰部型)に報告多い。中年犬に多い。

病態生理

くも膜と硬膜の間にCSF充満腔が形成→脊髄の背側圧迫→進行性の上位運動ニューロン型後肢不全麻痺・運動失調。C1〜C3(頸部)とT12〜L2(胸腰部)に好発。MRIで背側の嚢胞性病変として描出。緩徐に進行。

診断

脊髄造影(myelography)で背側くも膜下腔の嚢状拡張を確認。CT myelographyで三次元評価。MRIでT2高信号の嚢胞性病変が脊髄背側に描出。脊髄の圧迫・変形を評価。CSF検査で感染・炎症を除外(通常正常)。X線で椎体異常を除外。好発部位はC2-C3(頸部型)またはT10-L2(胸腰部型)。進行性後肢不全麻痺の鑑別に含む。

治療

外科的治療が第一選択:椎弓切除術(laminectomy)+嚢胞壁切除/有袋化(marsupialization)。くも膜下くも膜嚢胞による脊髄圧迫を解除。術前MRI(T2高信号の嚢胞性病変)で正確な位置・範囲評価。保存療法は軽症例に限定:ガバペンチン(5-10 mg/kg PO q8-12h)、プレドニゾロン(0.5-1 mg/kg PO q24h 短期)、運動制限。外科後の神経回復は数週〜数ヶ月。好発:ロットワイラー、パグ(C2-C3多い)。術後リハビリ(水中トレッドミル等)で回復促進。Ref: Rylander et al. 2002, Gnirs et al. 2003.

予防

確実な予防法はない。進行性の後肢運動失調ではMRIで精査。外科的嚢胞有窓術(marsupialization)で改善。

予後

犬における脊髄くも膜憩室の予後は神経学的重症度により異なり、深部痛覚が温存されていれば外科的予後良好、消失例は予後不良。

関連する薬品

💊 ガバペンチン 💊 プレドニゾロン

※ 薬品名をクリックすると詳細な投与量・副作用情報を確認できます

神経の他の疾患(犬)

犬の全疾患を見る →

VetDictで犬の鑑別診断を行う

症状チェッカーを使う

関連する疾患

イングリッシュ・ブルドッグ半椎体 (共通5症状) 変形性関節症 (共通4症状) 股関節形成不全 (共通4症状) レッグ・ペルテス病 (共通4症状) ウォブラー症候群(頸椎脊髄症) (共通4症状) 膝蓋骨脱臼(パテラ) (共通4症状) 変性性脊髄症(DM) (共通4症状) ネオスポラ症 (共通4症状)
📋 犬の疾患一覧を見る →
※ 本ページの情報は獣医学的参考資料であり、診断・治療の代替ではありません。実際の診療は必ず獣医師にご相談ください。
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。