ハエウジ症(フライストライク)
概要
ハエの幼虫が生体組織に侵入する疾患で、汚染された会陰部に多発。未治療では急速に致死的です。
主な症状
原因
ウサギにおけるハエウジ症(フライストライク)の原因: キンバエやクロバエなどの双翅目昆虫が湿った汚染された皮膚・被毛に産卵し、孵化した幼虫(ウジ)が生体組織を侵食する。会陰部の糞便・尿汚染が最大のリスク因子であり、下痢(盲腸便軟化症)、肥満による自己グルーミング不能、尿失禁、歯科疾患による流涎が素因となる。高温多湿の夏季に好発し、屋外飼育のウサギで特にリスクが高い。
病態生理
ハエの成虫が湿潤・汚染された皮膚に産卵し、数時間以内に孵化した幼虫が表皮を貫通して皮下組織を侵食する。幼虫の分泌する消化酵素とアンモニアが組織壊死を急速に進行させる。広範な組織破壊により毒素が血中に吸収され、エンドトキシンショック・敗血症・多臓器不全に至る。ウサギは疼痛とストレスに極めて敏感であり、ショック状態への移行が速い。
治療
ウサギにおけるハエウジ症(蠅蛆症)の治療: 全てのウジ虫を手作業で丁寧に除去する(鎮静または麻酔下が望ましい)。創部を生理食塩水で徹底洗浄しデブリードマンを行う。疼痛管理にメロキシカム(0.3-0.5 mg/kg PO/SC q24h)とブプレノルフィン(0.02-0.05 mg/kg SC q6-8h)。二次感染予防に全身性抗菌薬。輸液療法と強制給餌による支持療法。ショック状態の場合は保温と酸素投与。重症例では予後不良のため安楽死の検討も必要。予防として臀部周囲の清潔維持、肥満や下痢の管理、フライストライク好発期(夏季)の1日2回の臀部チェックが重要。
予防
予防には適切な飼育管理(適切な食事・清潔な環境・最適な温湿度);定期的な獣医師の健康診断;新規動物の検疫;ストレス軽減;種特異的予防措置が含まれる
予後
早期発見・早期治療で予後はやや良好〜良好。広範な組織壊死やショック状態に至った重症例では予後不良〜絶望的であり、安楽死の検討が必要。回復後も再発リスクが高く、基礎疾患(肥満・下痢・歯科疾患)の管理と夏季の臀部チェック徹底が不可欠。
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