肝疾患(肝炎)
概要
感染、中毒、代謝性原因による肝臓の炎症で、胆汁色素の変化を引き起こす。
主な症状
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原因
インコにおける肝疾患(肝リピドーシス)の原因は内分泌腺の機能異常または代謝経路の障害である。具体的には自己免疫性内分泌腺破壊、腫瘍性ホルモン産生(機能性腺腫・癌)、医原性(長期ステロイド・薬剤)、栄養性(食事性ミネラル・ビタミン異常)、遺伝性酵素欠損が含まれる。年齢、肥満、品種特異的素因、併発疾患(膵炎・腎不全による二次性内分泌異常)が発症リスクを修飾する。早期診断のための内分泌スクリーニング検査の活用が重要。(インコは気嚢システムを持ち、ストレスで急変する)
病態生理
インコにおける肝疾患(肝リピドーシス)の病態生理は内分泌腺機能異常または代謝経路障害により全身ホメオスタシスが破綻する。糖尿病: β細胞機能不全とインスリン抵抗性により慢性高血糖、終末糖化産物形成、微小血管障害、多臓器合併症を引き起こす。甲状腺機能亢進: T3/T4過剰により基礎代謝亢進、心拍出量増加、体重減少、二次性高血圧と腎機能低下を引き起こす。クッシング症候群: 慢性的コルチゾール過剰により蛋白異化、免疫抑制、二次性糖尿病、感染感受性増大を引き起こす。
治療
セキセイインコの肝疾患(肝炎) — 肝リピドーシス(シード食による脂肪肝)、感染性肝炎(クラミジア、パチェコ病ヘルペスウイルス、細菌)、中毒性肝障害(重金属、アフラトキシン)の高い有病率のため多い。【診断】: 胆汁酸(最も感度の高い鳥類肝検査 — セキセイインコで絶食時>70 μmol/Lは異常)、AST(非特異的だが肝細胞障害で上昇)、LDH、GGT。X線(肝腫大)、超音波(肝実質変化)。CBC。ビリベルジン尿(緑色尿酸 — ビリルビンの鳥類等価物)。【基礎原因の治療】: 【感染性】: 細菌性肝炎にエンロフロキサシン15 mg/kg PO/IM q12h。クラミジア疑いにドキシサイクリン25-50 mg/kg PO q24h×45日間。【中毒性】: 毒素源の除去(重金属 — 重金属中毒エントリのキレート参照)。肝毒素の最近の摂取に活性炭1-3 g/kg PO。【肝リピドーシス】: 詳細プロトコルは肝リピドーシスエントリ参照。【肝保護剤】: SAMe 10-25 mg/kg PO q24h — グルタチオン前駆体、酸化的損傷から肝細胞を保護。ミルクシスルエキス(シリマリン)4-15 mg/kg PO q12h — 抗酸化、抗線維化、肝細胞再生刺激。ウルソジオール10-15 mg/kg PO q12h — 利胆、毒性胆汁酸を置換。L-カルニチン250-500 mg/kg PO q24h — 肝脂肪酸代謝を促進。ラクツロース0.3 mL/kg PO q8-12h — 肝性脳症用(鳥では稀だが重度肝不全で可能)。【輸液】: 加温SC輸液(LRS)50-100 mL/kg/日。【食餌】: 低脂肪ペレット食(Harrison's Adult Lifetime)。肝毒性食品回避(アボカド、玉ねぎ、ニンニク)。抗酸化物質に新鮮野菜。【支持療法】: 保温28-30°C、食欲不振時強制給餌、メロキシカム0.5 mg/kg PO q24h。【モニタリング】: 治療中は胆汁酸・ASTをq4-8週。連続X線で肝サイズ追跡。体重週1回。【予後】: 肝リピドーシス — 積極的食餌矯正で普通。感染性肝炎 — 適切な抗菌薬で普通〜良好。慢性線維化/肝硬変 — 不良(不可逆)。参考: Hochleithner M (1994) Avian Medicine; Phalen DN (2006). [ECVN:Block] 【補助療法オプション — Equine & Canine Vet Nutrition (caninevet.jp)】 • For Antioxidant (アスタキサンチン+メロンSOD+VitE+システイン(アスタアミノ処方)): 抗酸化・慢性疾患免疫サポート。アスタキサンチン(カロテノイド系)+SOD(スーパーオキシドジスムターゼ)が活性酸素種を消去。CKD・肝疾患・アトピー・ダニ媒介性感染症の酸化ストレス軽減、高齢動物の免疫機能維持に • MSM+アミノコンプリート (MSM+必須アミノ酸(BCAA中心)): 組織修復・筋肉維持・肝腎栄養サポート。BCAA(分岐鎖アミノ酸)が筋蛋白合成を促進+MSMが結合組織の修復をサポート。術後回復、骨折治癒、CKD/肝疾患の筋肉量維持、競走馬・スポーツ犬の運動器サポートに ※MSM+アミノコンプリート: 重度肝・腎不全は蛋白負荷に留意
予防
インコにおける肝疾患(肝リピドーシス)の予防は適正体重維持と適切な栄養管理が中核。糖尿病: 肥満予防(BCS 4-5/9)、低炭水化物食、定期運動、ステロイド長期使用の回避。甲状腺機能亢進症(猫): ヨウ素過剰摂取の回避、缶詰食のBPA曝露低減、年1回のT4スクリーニング(10歳以上)。クッシング症候群: 早期発見のための定期的臨床評価。アジソン病: 確立された予防法なし、症状の早期認識が重要。
予後
予後は原因と重症度により異なる。肝リピドーシスは早期の積極的栄養サポートで予後やや良好。慢性肝疾患は線維化の程度により予後要注意。
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