肝疾患(肝炎)
概要
感染、中毒、代謝性原因による肝臓の炎症で、胆汁色素の変化を引き起こす。
主な症状
原因
必須栄養素の欠乏または過剰摂取が原因であり、不適切な食事組成、吸収障害、代謝異常、需要増大(成長期・妊娠期・泌乳期)が関与する。ビタミン・ミネラル・必須アミノ酸・必須脂肪酸の不均衡は骨格発育異常、免疫機能低下、皮膚疾患、神経障害など多彩な臨床症状を引き起こす。種特異的な栄養要求量の無視が主因となる。
病態生理
栄養性疾患の病態生理は必須栄養素の不足による生化学的経路の障害に基づく。カルシウム/リン不均衡では二次性副甲状腺機能亢進症により骨吸収が促進され、骨軟化・病的骨折が生じる。ビタミン欠乏は各ビタミンが関与する酵素反応の障害をもたらし、特異的な臨床症候群を引き起こす。タンパク質-エネルギー栄養障害では異化亢進、免疫機能低下、創傷治癒遅延が生じる。
治療
セキセイインコの肝疾患(肝炎) — 肝リピドーシス(シード食による脂肪肝)、感染性肝炎(クラミジア、パチェコ病ヘルペスウイルス、細菌)、中毒性肝障害(重金属、アフラトキシン)の高い有病率のため多い。【診断】: 胆汁酸(最も感度の高い鳥類肝検査 — セキセイインコで絶食時>70 μmol/Lは異常)、AST(非特異的だが肝細胞障害で上昇)、LDH、GGT。X線(肝腫大)、超音波(肝実質変化)。CBC。ビリベルジン尿(緑色尿酸 — ビリルビンの鳥類等価物)。【基礎原因の治療】: 【感染性】: 細菌性肝炎にエンロフロキサシン15 mg/kg PO/IM q12h。クラミジア疑いにドキシサイクリン25-50 mg/kg PO q24h×45日間。【中毒性】: 毒素源の除去(重金属 — 重金属中毒エントリのキレート参照)。肝毒素の最近の摂取に活性炭1-3 g/kg PO。【肝リピドーシス】: 詳細プロトコルは肝リピドーシスエントリ参照。【肝保護剤】: SAMe 10-25 mg/kg PO q24h — グルタチオン前駆体、酸化的損傷から肝細胞を保護。ミルクシスルエキス(シリマリン)4-15 mg/kg PO q12h — 抗酸化、抗線維化、肝細胞再生刺激。ウルソジオール10-15 mg/kg PO q12h — 利胆、毒性胆汁酸を置換。L-カルニチン250-500 mg/kg PO q24h — 肝脂肪酸代謝を促進。ラクツロース0.3 mL/kg PO q8-12h — 肝性脳症用(鳥では稀だが重度肝不全で可能)。【輸液】: 加温SC輸液(LRS)50-100 mL/kg/日。【食餌】: 低脂肪ペレット食(Harrison's Adult Lifetime)。肝毒性食品回避(アボカド、玉ねぎ、ニンニク)。抗酸化物質に新鮮野菜。【支持療法】: 保温28-30°C、食欲不振時強制給餌、メロキシカム0.5 mg/kg PO q24h。【モニタリング】: 治療中は胆汁酸・ASTをq4-8週。連続X線で肝サイズ追跡。体重週1回。【予後】: 肝リピドーシス — 積極的食餌矯正で普通。感染性肝炎 — 適切な抗菌薬で普通〜良好。慢性線維化/肝硬変 — 不良(不可逆)。参考: Hochleithner M (1994) Avian Medicine; Phalen DN (2006). [ECVN:Block] 【補助療法オプション — Equine & Canine Vet Nutrition (caninevet.jp)】 • For Antioxidant (アスタキサンチン+SOD+VitE+システイン): 抗酸化・慢性疾患免疫サポート • MSM+アミノコンプリート (MSM+必須アミノ酸(BCAA中心)): 組織修復・筋肉維持・肝腎栄養サポート ※MSM+アミノコンプリート: 重度肝・腎不全は蛋白負荷に留意
予防
種特異的な栄養要求量に基づいた適切な食事の提供が最も基本的な予防策である。商業用総合栄養食の使用、手作り食の場合は獣医栄養学専門医による栄養設計、成長期・妊娠期・高齢期に応じた栄養調整が必要である。特定の種(モルモットのビタミンC、草食動物の繊維質)の固有な栄養要求を理解し、サプリメントで補完することが重要である。
予後
予後は原因と重症度により異なる。肝リピドーシスは早期の積極的栄養サポートで予後やや良好。慢性肝疾患は線維化の程度により予後要注意。
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