セキセイインコ肝リピドーシス
概要
高脂肪種子食のセキセイインコに特有の脂肪肝で、肝腫大と嘴過長を引き起こす。
主な症状
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臨床徴候
インコにおける肝リピドーシス(種子食)の臨床徴候はホルモン異常または代謝障害の種類により特異的パターンを示す。糖尿病: 多飲多尿・多食・体重減少。甲状腺機能亢進: 体重減少・多食・多動・心拍数上昇。クッシング症候群: 腹部膨満・脱毛・多飲多尿・薄い皮膚。アジソン病: 元気消失・嘔吐・下痢・電解質異常。低血糖: 振戦・痙攣・意識低下。早期は無症候性に進行することが多く、定期的内分泌スクリーニングが早期発見の鍵。
原因
インコにおける肝リピドーシス(種子食)の原因は内分泌腺の機能異常または代謝経路の障害である。具体的には自己免疫性内分泌腺破壊、腫瘍性ホルモン産生(機能性腺腫・癌)、医原性(長期ステロイド・薬剤)、栄養性(食事性ミネラル・ビタミン異常)、遺伝性酵素欠損が含まれる。年齢、肥満、品種特異的素因、併発疾患(膵炎・腎不全による二次性内分泌異常)が発症リスクを修飾する。早期診断のための内分泌スクリーニング検査の活用が重要。(インコは気嚢システムを持ち、ストレスで急変する)
病態生理
インコにおける肝リピドーシス(種子食)の病態生理は内分泌腺機能異常または代謝経路障害により全身ホメオスタシスが破綻する。糖尿病: β細胞機能不全とインスリン抵抗性により慢性高血糖、終末糖化産物形成、微小血管障害、多臓器合併症を引き起こす。甲状腺機能亢進: T3/T4過剰により基礎代謝亢進、心拍出量増加、体重減少、二次性高血圧と腎機能低下を引き起こす。クッシング症候群: 慢性的コルチゾール過剰により蛋白異化、免疫抑制、二次性糖尿病、感染感受性増大を引き起こす。
診断
種子食主体の食餌歴を聴取し、キール骨触診で肥満度を評価。血液生化学でAST・GGT・LDH・胆汁酸・総コレステロール・トリグリセリド上昇を確認。CBC(有核RBC手動カウント)で貧血・白血球異常を評価。腹部X線で肝腫大(腹部陰影拡大)・気嚢圧迫を描出。超音波で肝実質の高エコー化・びまん性変化を確認。重症例ではFNA肝生検で脂肪空胞変性を病理確認。鑑別としてクラミジア性肝炎・ヘルペスウイルス肝炎・アミロイドーシスを除外。
治療
食餌転換が治療の基盤: 高脂肪シード食(ヒマワリ/ベニバナ >40%脂肪)からペレット食への2-4週間かけた段階的移行(移行中は体重を毎日モニタリング—セキセイインコは初めペレットを拒否する場合がある)。重要: 4-6時間以上の絶食を避ける—飢餓は逆説的に末梢脂肪を肝臓に動員し肝リピドーシスを悪化させる。肝保護薬: ミルクシスル(シリマリン)50-150 mg/kg PO q12h、SAMe 10-20 mg/kg PO q24h。肝性脳症疑い: ラクツロース0.5 mL/kg PO q12h。L-カルニチン50-100 mg/kg PO q12hで肝臓の脂肪酸酸化を促進。運動促進: 毎日の監視下ケージ外放鳥。胆汁酸(>100 μmol/Lは重度肝障害を示唆)、AST、コレステロールをモニタリング。嘴過長はセキセイインコの慢性肝障害の典型的徴候—肝機能改善まで4-6週間毎にトリミングが必要。セキセイインコの理想体重: 28-40 g。肥満鳥(>45 g)はカロリー制限が必要。シード食のみの飼育下セキセイインコの推定60-70%が5歳までに肝リピドーシスを発症する。
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予防
インコにおける肝リピドーシス(種子食)の予防は適正体重維持と適切な栄養管理が中核。糖尿病: 肥満予防(BCS 4-5/9)、低炭水化物食、定期運動、ステロイド長期使用の回避。甲状腺機能亢進症(猫): ヨウ素過剰摂取の回避、缶詰食のBPA曝露低減、年1回のT4スクリーニング(10歳以上)。クッシング症候群: 早期発見のための定期的臨床評価。アジソン病: 確立された予防法なし、症状の早期認識が重要。
予後
予後は原因と重症度により異なる。肝リピドーシスは早期の積極的栄養サポートで予後やや良好。慢性肝疾患は線維化の程度により予後要注意。
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