セキセイインコ肝リピドーシス
概要
高脂肪種子食のセキセイインコに特有の脂肪肝で、肝腫大と嘴過長を引き起こす。
主な症状
原因
必須栄養素の欠乏または過剰摂取が原因であり、不適切な食事組成、吸収障害、代謝異常、需要増大(成長期・妊娠期・泌乳期)が関与する。ビタミン・ミネラル・必須アミノ酸・必須脂肪酸の不均衡は骨格発育異常、免疫機能低下、皮膚疾患、神経障害など多彩な臨床症状を引き起こす。種特異的な栄養要求量の無視が主因となる。
病態生理
栄養性疾患の病態生理は必須栄養素の不足による生化学的経路の障害に基づく。カルシウム/リン不均衡では二次性副甲状腺機能亢進症により骨吸収が促進され、骨軟化・病的骨折が生じる。ビタミン欠乏は各ビタミンが関与する酵素反応の障害をもたらし、特異的な臨床症候群を引き起こす。タンパク質-エネルギー栄養障害では異化亢進、免疫機能低下、創傷治癒遅延が生じる。
治療
食餌転換が治療の基盤: 高脂肪シード食(ヒマワリ/ベニバナ >40%脂肪)からペレット食への2-4週間かけた段階的移行(移行中は体重を毎日モニタリング—セキセイインコは初めペレットを拒否する場合がある)。重要: 4-6時間以上の絶食を避ける—飢餓は逆説的に末梢脂肪を肝臓に動員し肝リピドーシスを悪化させる。肝保護薬: ミルクシスル(シリマリン)50-150 mg/kg PO q12h、SAMe 10-20 mg/kg PO q24h。肝性脳症疑い: ラクツロース0.5 mL/kg PO q12h。L-カルニチン50-100 mg/kg PO q12hで肝臓の脂肪酸酸化を促進。運動促進: 毎日の監視下ケージ外放鳥。胆汁酸(>100 μmol/Lは重度肝障害を示唆)、AST、コレステロールをモニタリング。嘴過長はセキセイインコの慢性肝障害の典型的徴候—肝機能改善まで4-6週間毎にトリミングが必要。セキセイインコの理想体重: 28-40 g。肥満鳥(>45 g)はカロリー制限が必要。シード食のみの飼育下セキセイインコの推定60-70%が5歳までに肝リピドーシスを発症する。 [ECVN:Block] 【補助療法オプション — Equine & Canine Vet Nutrition (caninevet.jp)】 • For Antioxidant (アスタキサンチン+SOD+VitE+システイン): 抗酸化・慢性疾患免疫サポート • MSM+アミノコンプリート (MSM+必須アミノ酸(BCAA中心)): 組織修復・筋肉維持・肝腎栄養サポート • カミデミルク (消化吸収しやすい流動性栄養): 食欲不振・クリティカルケア・経管栄養 ※MSM+アミノコンプリート: 重度肝・腎不全は蛋白負荷に留意 ※カミデミルク: 完全腸閉塞は禁忌; 重症膵炎は低脂肪配合
予防
種特異的な栄養要求量に基づいた適切な食事の提供が最も基本的な予防策である。商業用総合栄養食の使用、手作り食の場合は獣医栄養学専門医による栄養設計、成長期・妊娠期・高齢期に応じた栄養調整が必要である。特定の種(モルモットのビタミンC、草食動物の繊維質)の固有な栄養要求を理解し、サプリメントで補完することが重要である。
予後
予後は原因と重症度により異なる。肝リピドーシスは早期の積極的栄養サポートで予後やや良好。慢性肝疾患は線維化の程度により予後要注意。
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