炎症性腸疾患(IBD)
概要
フェレットにおける自己免疫性の消化器系疾患。炎症性腸疾患は適切な診断と治療管理が重要である。早期発見と適切な介入が予後改善の鍵となる。
主な症状
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臨床徴候
フェレットにおける炎症性腸疾患の臨床徴候は消化管病変の部位と病態により異なる。上部消化管: 嘔吐・吐血・食欲不振。小腸: 下痢(小腸性: 量多・回数少・体重減少を伴う)・嘔吐・腹痛。大腸: 下痢(大腸性: 量少・回数多・粘液・血便・テネスムス)。急性腹症: 強い腹痛・嘔吐・ショック徴候・腹部触診で腫瘤や緊張感(GDV・腸捻転・腸閉塞)は緊急評価が必要。
原因
フェレットにおける炎症性腸疾患(IBD)の原因: 腸壁へのリンパ球・形質細胞の慢性浸潤により、持続的な下痢、体重減少、低タンパク血症を引き起こします。食事性抗原、腸内細菌叢の異常、免疫調節障害が関与すると考えられています。
病態生理
炎症性腸疾患はフェレットにおける消化管の慢性炎症性疾患である。リンパ球・形質細胞の消化管粘膜への浸潤により、吸収不良・栄養障害・慢性下痢が生じる。免疫異常による粘膜バリアの破綻が持続的な炎症サイクルを引き起こし、進行すると腸管壁の肥厚・線維化に至る。
診断
内視鏡・全層腸生検で確定診断(リンパ球性-形質細胞性浸潤が最も多い)。フェレットのIBDはリンパ腫との鑑別が臨床上最も重要。腹部超音波で腸壁肥厚・腸間膜リンパ節腫大を評価。CBC(好酸球増加→好酸球性IBD)・血液生化学(低アルブミン・低グロブリン)で栄養吸収障害を確認。糞便検査で寄生虫・感染性腸炎を除外。フェレットは完全肉食動物であり、植物性蛋白質含有フードが発症リスク因子。食餌歴の詳細確認。
治療
【フェレットにおける炎症性腸疾患(フェレット)】 炎症性腸疾患(フェレット)は培養感受性試験を診療指針とし、empiricalにはエンロフロキサシン 5-15 mg/kg PO/IM q12-24h またはアモキシシリン・クラブラン酸 12.5-25 mg/kg PO q12h(小型哺乳類除く)を開始。 膿瘍形成例は外科的切開・排膿・洗浄(生食または0.05%クロルヘキシジン)が抗菌薬単独より治癒率高い。 発熱・全身症状時は炎症マーカー(SAA、CRP)と血液培養。 再発リスクの高い症例ではバイオフィルム形成菌(Pseudomonas, Staphylococcus pseudintermedius MRSP)を疑い、長期抗菌薬を6-8週継続。 具体的な薬剤目安: Prednisolone 1-2 mg/kg PO、Azathioprine 0.9 mg/kg PO、Metronidazole 20 mg/kg PO、Chlorambucil 2 mg/m² PO。 支持療法(小型哺乳類): 等張輸液 80-100 mL/kg/日 SC/IV、保温(26-28℃)、シリンジ給餌(Critical Care/Recovery 50-90 mL/kg/日を3-4回分割)、メロキシカム 0.5-1.0 mg/kg PO q12-24h で疼痛・炎症管理。 【鑑別と経過観察】類似症候を呈する疾患の除外と、治療4-8週後の再評価が予後改善の鍵。重症度・併発症によってはフェレットの専門医紹介を考慮する。
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予防
フェレットにおける炎症性腸疾患の予防は栄養管理と環境管理が中心。バランスの取れた高品質食、急激な食事変更回避、食物アレルゲンの特定と除去食。草食動物(ウサギ・モルモット・チンチラ・デグー): 高繊維チモシー乾草を給与量の80%以上、ペレット過剰摂取回避、新鮮野菜の段階的導入。異物誤食予防(玩具・包装材・植物の管理)。定期的駆虫、ストレス管理、適切なワクチネーション。
予後
炎症性腸疾患(IBD)の予後: 急性消化器疾患は多くが治療に良好に反応。閉塞性疾患は早期外科介入で予後良好。慢性疾患は食事管理で長期管理可能。
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