封入体病(IBD)
概要
主にボア科のヘビに影響する致死性のアレナウイルス感染症で、重篤な神経学的・消化器症状を引き起こします。
主な症状
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臨床徴候
爬虫類における封入体病(IBD)の臨床徴候は消化管病変の部位と病態により異なる。上部消化管: 嘔吐・吐血・食欲不振。小腸: 下痢(小腸性: 量多・回数少・体重減少を伴う)・嘔吐・腹痛。大腸: 下痢(大腸性: 量少・回数多・粘液・血便・テネスムス)。急性腹症: 強い腹痛・嘔吐・ショック徴候・腹部触診で腫瘤や緊張感(GDV・腸捻転・腸閉塞)は緊急評価が必要。
原因
レプタレナウイルス感染。直接接触、共有環境、ヘビダニ(Ophionyssus natricis)をベクターとして伝播。主にボア科に影響;ニシキヘビ科も感染するが異なる臨床像を示す場合がある。
病態生理
ウイルスは多種類の細胞で増殖し、神経細胞、肝細胞などに特徴的な好酸性細胞質内封入体を形成する。中枢神経系の障害は進行性上行性麻痺、方向感覚喪失(スターゲイジング)、立ち直り反射の喪失を引き起こす。消化管の障害は慢性逆流と消耗を引き起こす。免疫抑制が二次感染を招く。
診断
ボア・パイソンの神経症状(stargazing、協調運動障害、正向反射消失)が臨床的に強く示唆。肝・腎・膵臓の生検でエオジン好性〜好塩基性の大型細胞質内封入体をH&E染色で確認(確定診断)。食道扁桃・末梢血白血球の封入体検出が低侵襲スクリーニング法(感度限定的)。CBC(リンパ球減少→免疫抑制)、血液生化学(AST・UA上昇→肝腎障害)。PCR(アレナウイルス検出)が補助診断。X線で消化管異常ガス像。確定には剖検が最も信頼性が高い。
治療
治療法は存在しない。緩和療法のみ:支持療法、補助給餌、輸液。進行性・不可逆的な疾患のため重症動物には安楽死が推奨される。感染動物は永続的に隔離する必要がある。コレクションでは積極的なダニ駆除が不可欠。
予防
全ての新規ボア科のPCR検査付き厳格な検疫(6ヶ月以上)。積極的なダニ駆除。ケージ間で器具を共用しない。コレクションのPCRスクリーニング。陽性動物の淘汰または永続的隔離。
予後
絶望的。IBDは進行性で症候性ボアでは必ず致死的。一部の感染ボアは臨床症状発現前に数ヶ月〜数年間無症候性に保菌しうる。ニシキヘビはより長く生存する場合があるが最終的な衰退が予想される。
関連する薬品
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