ビタミンD3過剰症
概要
ビタミンD3の過剰摂取により高カルシウム血症と軟部組織の石灰化を引き起こします。
主な症状
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臨床徴候
爬虫類におけるビタミンD3過剰症の臨床徴候は欠乏または過剰の栄養素により特異的パターンを示す。カルシウム不足: 骨軟化・病的骨折・痙攣・成長不良。ビタミンA不足: 眼疾患・皮膚角化異常・夜盲・繁殖障害。ビタミンC不足(モルモット): 関節腫脹・出血傾向・歯周病・成長不良。タンパク質-エネルギー欠乏: 削痩・筋萎縮・低アルブミン血症・浮腫。ビタミンD/UV-B不足(爬虫類): 代謝性骨疾患・骨軟化。
原因
経口ビタミンD3の過剰補給、過度にサプリメント強化された食事、またはD3補給と高カルシウム摂取の併用。稀に不適切な高出力UVB光源による。
病態生理
過剰なビタミンD3が腸管カルシウム吸収と骨吸収を増加させ高カルシウム血症を引き起こす。血清カルシウムの上昇は腎臓(腎石灰化症)、血管、心臓、消化管を含む軟部組織の異栄養性石灰化を起こす。腎尿細管へのカルシウム沈着により腎不全に至る可能性がある。
診断
ビタミンD3過剰症の診断は、UVBライトの過剰照射歴やD3サプリメントの過量投与歴を確認し、血清Ca上昇(高カルシウム血症>15 mg/dL)・P値・Ca×P積を測定する。X線検査で軟部組織・腎臓・血管壁の異所性石灰化を確認する。超音波検査で腎実質のエコー輝度上昇(腎石灰沈着症)を評価する。代謝性骨疾患のD3補充療法中に発症しやすく、投与量の再評価が必要である。
治療
爬虫類ビタミンD3過剰症: ① 病態—経口D3製剤過剰投与+UVB過剰照射併用例で報告。高Ca血症→転移性石灰化(血管・腎・心嚢・消化管)—不可逆性。② 確定: 血清Ca(>15 mg/dLで重度)、リン、25(OH)D3、X線(軟部組織石灰化)、組織生検。③ 緊急対応: ビタミンD3製剤の即時停止、UVB照射の一時減量または中止。④ Ca降下: 等張輸液(ノルモソルR 25-30 mL/kg/日 SC/ICe)で希釈、フロセミド 5 mg/kg IM/IV q12h × 短期。⑤ 低Ca食: 草食種は Caが低めの野菜、肉食種は低リン餌(liver回避)。⑥ 鎮痛: メロキシカム 0.2-0.5 mg/kg PO/IM q24-48h、ガバペンチン 5-10 mg/kg PO q12h(補助)。⑦ POTZ維持、栄養支持。支持療法(爬虫類): 種別POTZ(preferred optimum temperature zone)維持が免疫機能回復の前提条件。輸液 25-30 mL/kg/日 SC/ICe(ノルモソルR、温熱)、強制給餌(Carnivore Care 等)、メロキシカム 0.2-0.5 mg/kg PO/IM q24-48h(NSAID持続投与時は腎機能をモニタ)。
予防
D3補給はメーカーの指針に従う。高用量の経口D3と高カルシウム食を同時に併用しない。可能な場合はUVBライトを主要なD3源として使用する(皮膚合成は自己調節的)。
予後
要注意。軟部組織石灰化は不可逆的であることが多い。予後は臓器障害の程度、特に腎臓の障害度に依存する。早期に発見された軽症例は完全に回復する可能性がある。
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