高カルシウム尿症(食事性)
概要
カルシウムの多い食事による過剰なカルシウム排泄で濃厚な糊状の尿が出ます。
主な症状
原因
代謝経路の酵素異常、ホルモン分泌の失調、主要臓器の機能障害により体内の恒常性が破綻する。内分泌腺の腫瘍性・免疫介在性破壊、遺伝性酵素欠損、加齢に伴う臓器予備能の低下が主要な原因因子である。肝臓・腎臓・膵臓・甲状腺・副腎の機能異常は全身の代謝に広範な影響を及ぼし、多臓器にわたる二次的障害を生じさせる。
病態生理
代謝性疾患の病態生理はホルモン分泌異常または代謝酵素活性の変化による恒常性の破綻である。糖尿病ではインスリン欠乏/抵抗性により高血糖・糖尿病性ケトアシドーシスが生じる。甲状腺機能��進症ではT4過剰により全身の代謝率が上昇し、心血管系への負荷が増大する。副腎皮質機能亢進症ではコルチゾール過剰が蛋白異化、脂肪再分布、免疫抑制、多飲多尿を引き起こす。
治療
ウサギにおける高カルシウム尿症(食事性)の治療: 1. 食事管理(最重要): アルファルファ干し草(Ca約1.5%)からチモシー干し草(Ca約0.4%)に変更。高Ca野菜(ケール、ブロッコリー、タンポポ葉、パセリ)を制限。ペレットはチモシーベースのみ、体重2kgで1/8-1/4カップ/日に制限。2. 飲水促進: 複数の水場設置、野菜への加水、無糖果汁での風味付け。3. 急性スラッジ時の輸液療法: 加温LRSまたは生食100mL/kg/日SC(利尿促進)。4. 重度膀胱スラッジ/閉塞時: 膀胱切開によるスラッジ除去、または鎮静下(メデトミジン0.1-0.25mg/kg + ブトルファノール0.3mg/kg IM)での用手圧迫排尿。5. メロキシカム0.3-0.6mg/kg PO q24h(排尿障害/疼痛管理)。6. 会陰部汚れの清拭(尿やけ・蠅蛆症予防)。7. 尿Ca/Cre比と腹部X線を3-6ヶ月毎にモニタリング。8. 腎疾患の除外(BUN、Cre、SDMA)—腎石灰化の併発が多い。ウサギは余剰Caを腎臓から排泄する(他種のような胆汁排泄ではない)ため食事性Ca制限が必須。参考: Harcourt-Brown (2002); Quesenberry & Carpenter (2012)。
予防
定期的な健康診断(血液化学検査・ホルモン検査)による早期発見が最重要である。適正体重の維持、バランスの取れた食事管理、適度な運動が代謝性疾患のリスク低減に寄与する。遺伝的素因を持つ品種では若年期からのスクリーニング検査を推奨する。糖尿病予防には肥満回避と高繊維食が有効であり、内分泌疾患では早期の診断と治療開始が合併症予防に直結する。
予後
疾患の重症度、治療開始の早さ、治療反応により異なる。早期の適切な治療介入で一般に予後改善。
関連する薬品
※ 薬品辞書で詳細な投与量・副作用情報を確認できます
その他の他の疾患(うさぎ)
VetDictでうさぎの鑑別診断を行う
症状チェッカーを使う関連する疾患
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。