高カルシウム尿症(食事性)
概要
カルシウムの多い食事による過剰なカルシウム排泄で濃厚な糊状の尿が出ます。
主な症状
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原因
ウサギにおける膀胱スラッジ(高カルシウム尿症)の原因は必須栄養素の不足・過剰・不均衡である。不適切な食事組成、吸収障害、代謝異常、需要増大(成長期・妊娠期・泌乳期)が関与する。ビタミン・ミネラル・必須アミノ酸・必須脂肪酸の不均衡は骨格発育異常、免疫機能低下、皮膚・被毛変化、繁殖障害として顕在化する。市販総合栄養食の品質、手作り食の栄養バランス、サプリメントの過剰補給、種特異的要求(猫のタウリン、モルモットのビタミンC、爬虫類のカルシウム/UV-B)の理解不足が主要リスク。(ウサギは経口β-ラクタム抗菌薬禁忌、GI stasis予防が必須)
病態生理
ウサギにおける膀胱スラッジ(高カルシウム尿症)の病態生理は必須栄養素不足・過剰による生化学的経路障害に基づく。カルシウム/リン不均衡では二次性副甲状腺機能亢進症により骨吸収促進・骨軟化・病的骨折が生じる。ビタミン欠乏は各ビタミン関与酵素反応の障害により特異的臨床症候群を引き起こす(ビタミンA欠乏: 視覚障害、ビタミンB1欠乏: 神経症状)。タンパク質-エネルギー栄養障害では異化亢進、筋萎縮、免疫機能低下、創傷治癒遅延を生じる。栄養素過剰では肝胆道・腎の代謝負荷増大、毒性発現(脂溶性ビタミン過剰)を引き起こす。
治療
ウサギにおける高カルシウム尿症(食事性)の治療: 1. 食事管理(最重要): アルファルファ干し草(Ca約1.5%)からチモシー干し草(Ca約0.4%)に変更。高Ca野菜(ケール、ブロッコリー、タンポポ葉、パセリ)を制限。ペレットはチモシーベースのみ、体重2kgで1/8-1/4カップ/日に制限。2. 飲水促進: 複数の水場設置、野菜への加水、無糖果汁での風味付け。3. 急性スラッジ時の輸液療法: 加温LRSまたは生食100mL/kg/日SC(利尿促進)。4. 重度膀胱スラッジ/閉塞時: 膀胱切開によるスラッジ除去、または鎮静下(メデトミジン0.1-0.25mg/kg + ブトルファノール0.3mg/kg IM)での用手圧迫排尿。5. メロキシカム0.3-0.6mg/kg PO q24h(排尿障害/疼痛管理)。6. 会陰部汚れの清拭(尿やけ・蠅蛆症予防)。7. 尿Ca/Cre比と腹部X線を3-6ヶ月毎にモニタリング。8. 腎疾患の除外(BUN、Cre、SDMA)—腎石灰化の併発が多い。ウサギは余剰Caを腎臓から排泄する(他種のような胆汁排泄ではない)ため食事性Ca制限が必須。参考: Harcourt-Brown (2002); Quesenberry & Carpenter (2012)。
予防
ウサギにおける膀胱スラッジ(高カルシウム尿症)の予防は種特異的な栄養要求量に基づく適切な食事提供が基本。商業用総合栄養食の利用(AAFCO基準準拠)、手作り食の場合は獣医栄養学専門医による栄養設計、成長期・妊娠期・泌乳期の特殊要求対応。草食動物(モルモット)のビタミンC、爬虫類のカルシウム/UV-B、猫のタウリン、フェレットの動物性タンパク質など、種特異的要求の理解。サプリメント過剰摂取の回避(特に脂溶性ビタミン)。
予後
疾患の重症度、治療開始の早さ、治療反応により異なる。早期の適切な治療介入で一般に予後改善。
関連する薬品
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