膵炎
概要
膵臓の炎症による消化・代謝機能障害。
主な症状
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臨床徴候
インコにおける膵炎の臨床徴候は消化管病変の部位と病態により異なる。上部消化管: 嘔吐・吐血・食欲不振。小腸: 下痢(小腸性: 量多・回数少・体重減少を伴う)・嘔吐・腹痛。大腸: 下痢(大腸性: 量少・回数多・粘液・血便・テネスムス)。急性腹症: 強い腹痛・嘔吐・ショック徴候・腹部触診で腫瘤や緊張感(GDV・腸捻転・腸閉塞)は緊急評価が必要。
原因
インコにおける膵炎の原因: 膵臓の炎症による消化・代謝機能障害。
病態生理
膵炎はインコにおける代謝・内分泌疾患である。基礎病態はホルモンのフィードバックループ、酵素活性、または基質代謝の調節障害を伴う。循環ホルモン、電解質、代謝中間体のバランス異常が複数の臓器系にわたる細胞機能に影響を及ぼす。代償機構が一時的に恒常性を維持するが、最終的に代償不全に陥り、進行性の臨床的悪化と多臓器への影響を引き起こす。
診断
血液生化学でリパーゼ・アミラーゼ上昇を測定(鳥類では感度が限られる)。AST・LDH上昇で関連臓器障害を評価。CBC で白血球増加を確認。腹部超音波で膵臓のエコー変化(腫大・低エコー・周囲脂肪の高エコー化)を評価。X線で腹腔内液貯留を検出。糞便検査で脂肪便(消化不良)を確認。インコ類では膵炎の臨床診断は困難であり、剖検での膵臓の壊死・炎症確認が確定診断となることが多い。高脂肪種子食偏重による慢性膵炎が疑われペレット食移行が予防的介入となる。
治療
セキセイインコの膵炎は高脂肪シード食(ヒマワリ/キビの過剰摂取)または亜鉛中毒に関連することが多い。治療: 絶食(NPO)12-24時間で膵臓を安静にし、その後低脂肪食(Harrison's High Potency Fine)を漸次再開。輸液療法: SC/IO加温乳酸リンゲル液50-100 mL/kg/日。疼痛管理: メロキシカム0.5 mg/kg PO/IM q12-24h(重要 — 膵炎は非常に痛い)。制吐薬: メトクロプラミド0.5 mg/kg PO/IM q12h(吐き戻し/嘔吐に)。感染性が疑われる場合: エンロフロキサシン15 mg/kg PO/IM q12h。血糖を密にモニタリング — 膵臓損傷は二次性糖尿病を起こしうる。鳥類生化学パネルでのアミラーゼ/リパーゼ上昇は診断を支持するが非特異的。長期食事管理: ペレット食への転換、高脂肪シード排除、新鮮野菜の提供。亜鉛中毒が原因の場合: CaEDTA 30-50 mg/kg IM q12hでキレーション。参考文献: Schmidt et al. 2015, Lumeij 2008。
予防
膵炎の予防には適切な食事設計、血液検査を含む定期的な健康モニタリング、健康体重の維持、過剰なおやつや不適切な食事の回避、無症候性変化の早期発見時の迅速な介入が含まれる。
予後
膵炎の予後: 早期治療で多くは良好。定期モニタリングで管理可能。
関連する薬品
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