回虫症(アスカリジア属)- インコ
概要
アスカリジア属による腸閉塞と吸収不良をインコに引き起こす。
主な症状
原因
寄生虫(線虫・条虫・吸虫・原虫・外部寄生虫)の感染が直接的な原因である。感染経路には経口摂取、経皮侵入、節足動物媒介、中間宿主の捕食など極めて多様な様式がある。過密飼育、衛生管理不良、免疫抑制、定期的予防投薬の未実施が感染リスクを上昇させる。宿主の免疫状態と寄生虫負荷量が臨床症状の発現と重症度を決定する。
病態生理
寄生虫は宿主組織に物理的損傷を与え、栄養を奪取し、免疫応答を修飾する。消化管寄生虫は粘膜損傷・吸血・栄養吸収障害を引き起こす。組織移行期の幼虫は機械的組織破壊と好酸球性炎症を惹起する。寄生虫の分泌排泄産物は宿主免疫をTh2応答に偏向させ、Treg誘導により免疫回避を達成する。大量寄生では貧血・低蛋白血症・腸閉塞などの重篤な合併症が生じる。
治療
フェンベンダゾール20-50 mg/kg PO q24hを3-5日間(アスカリジアの第一選択薬)。代替: イベルメクチン0.2 mg/kg POまたはIM単回、14日後再投与。ピランテルパモ酸7 mg/kg PO単回投与(混合線虫感染用)。重度のアスカリジア感染はセキセイインコで致死的腸閉塞を引き起こしうる—腹部膨満があればレントゲン撮影。緊急例は外科的腸切開が必要な場合がある。環境消毒が重要: アスカリジア卵は直接感染性(中間宿主不要)、環境中で高度に抵抗性、2-3週間で胚形成。糞便を毎日除去、ケージと止まり木を毎週消毒。接触鳥全羽を同時に治療。治療4週間後に糞便浮遊法で除虫確認。虫卵残存時はフェンベンダゾールを再投与。治療中の体重モニタリング—重度感染は著しいタンパク質・カロリー吸収不良を引き起こす。衰弱個体にはクロップチューブ補助給餌。
予防
定期的な予防的駆虫プログラムの実施が最も効果的な予防策である。フィラリア予防薬の通年または季節的投与、ノミ・マダニ予防薬の定期使用、環境中の糞便の速やかな除去、中間宿主との接触制限が重要である。新規導入動物の糞便検査と駆虫処理、飼育環境の衛生管理、過密飼育の回避により寄生虫感染リスクを大幅に低減できる。
予後
適切な駆虫薬療法で予後良好。フェンベンダゾールは>95%の有効性。腸閉塞または重度衰弱がある場合は要注意。環境管理なしでは再感染が多い。
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