そ嚢熱傷
概要
過熱した挿し餌による新生雛のそ嚢の熱傷で、瘻孔を形成する場合がある。
主な症状
原因
消化器系組織への物理的外傷が原因。転落・ケージ損傷・取扱い事故・同居個体や捕食者からの咬傷・環境危険物が一般的原因。インコの解剖学的特性が特定の損傷タイプへの素因となりうる。二次合併症として感染・治癒遅延・慢性疼痛がある。
病態生理
インコの消化器系組織への外傷性損傷は、挫傷・裂傷・骨折を含む直接的な機械的組織損傷を引き起こす。急性炎症反応により浮腫・出血・疼痛が生じる。二次合併症として細菌汚染・感染・治癒遅延がある。インコでは損傷からのストレスが追加の全身合併症を引き起こしうる。
治療
緊急 — 挿し餌の過熱(>42℃/108°Fでそ嚢壁壊死)による手差し雛で最多。急性期(0-48時間): 絶食(NPO) — 熱傷を受けたそ嚢での給餌を続けない。SC輸液(LRS)を維持量+5%脱水補正。鎮痛にメロキシカム0.5-1 mg/kg PO/IM q12-24h。重度疼痛にブトルファノール1-2 mg/kg IM。広域抗菌薬: アモキシシリン/クラブラン酸125 mg/kg PO q12h(そ嚢を迂回する食道プローブで経口投与可能な場合あり)。保育器で32-35℃(新生雛)または30-32℃(日齢雛)に保持。壊死期(3-7日): 熱傷組織が境界化 — そ嚢瘻孔は通常熱傷後5-7日で壊死そ嚢壁が脱落し腹側胸壁に開口を形成、そ嚢内容物が外部に漏出。早期の外科的修復を試みない — 健常な肉芽組織の辺縁が明確に定義されるまで待機。外科的修復(熱傷後7-14日): イソフルラン麻酔下でそ嚢瘻孔閉鎖 — 壊死辺縁をデブリードマン、4-0/5-0吸収糸(PDS/モノクリル)でそ嚢壁を2層(粘膜と筋層を別々に)閉鎖、共通縫合線を避けて皮膚を別に閉鎖。術後: 24-48時間絶食後、微温(37-38℃)のフォーミュラを少量頻回で再開。毎回の給餌前に温度計でフォーミュラ温度を測定 — 電子レンジを絶対に使用しない(ホットスポット生成)。発達段階に応じてスプーン/シリンジ給餌または自食に移行。
予防
予防には適切な飼育管理(適切な食事・清潔な環境・最適な温湿度);定期的な獣医師の健康診断;新規動物の検疫;ストレス軽減;種特異的予防措置が含まれる
予後
外傷の予後は損傷の重症度と合併症の有無に依存する。軽度外傷は適切な創傷管理で予後良好。重度外傷、多発骨折、脊髄損傷は予後慎重〜不良。早期治療と適切な疼痛管理が回復を促進する。
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