酸敗嗉嚢
概要
細菌・酵母過剰増殖による嗉嚢内容物の発酵で、悪臭を伴う嗉嚢膨満を引き起こす。
主な症状
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臨床徴候
インコにおける酸敗嗉嚢の臨床徴候は感染部位と病原体特性により多様だが、共通所見として発熱・元気消失・食欲不振・体重減少が認められる。局所感染では発赤・腫脹・疼痛・排膿を、全身感染では脱水・敗血症・多臓器不全に進展しうる。幼若・高齢・免疫抑制状態は重症化リスクが高く、早期介入が予後改善に直結する。
原因
インコにおける酸敗嗉嚢の原因: 細菌・酵母過剰増殖による嗉嚢内容物の発酵で、悪臭を伴う嗉嚢膨満を引き起こす。
病態生理
停滞した内容が発酵し、二次的な酵母(カンジダ)・細菌の異常増殖(サワークロップ)を招く。ガス産生・悪臭・逆流を伴い、放置すると誤嚥・敗血症へ進行する。停滞は原因であって一次感染ではない。
診断
そのうの触診で液体貯留・膨満・食滞を確認。そのう液の直接鏡検・グラム染色で細菌叢異常(グラム陰性菌優位)・カンジダ(出芽酵母・仮性菌糸)を検出。そのう液のpH測定でアルカリ化を確認。そのう液培養で起因菌を同定。X線でそのう拡張・内容物貯留を評価。CBC で白血球変動を確認。インコ類ではサワークロップはそのう運動低下による食物発酵・細菌過増殖が原因であり、カンジダ症・Megabacteriosis・異物・PDD・甲状腺腫(気道圧迫→嚥下障害)が基礎疾患として重要。原因治療とそのう洗浄・ナイスタチン投与が治療の柱である。
治療
加温滅菌生理食塩水で嗉嚢洗浄—フィーディングチューブで加温生理食塩水10-15 mLを穏やかに注入、吸引し透明になるまで反復。ナイスタチン300,000 IU/kg PO q8-12hで酵母/カンジダ成分に対処(酸敗嗉嚢では一般的)。メトクロプラミド0.5 mg/kg PO q8-12hで嗉嚢運動回復。細菌過剰増殖: Gram染色結果に基づきTMP-SMX 48 mg/kg PO q12hまたはエンロフロキサシン15 mg/kg PO q12h。基礎原因の特定と治療: 異物(レントゲン)、カンジダ症(出芽酵母のGram染色)、細菌性嗉嚢炎、神経障害による嗉嚢アトニー。食餌改善: 発酵しやすい柔らかい/湿った食物を除去、ペレット食への転換、哺乳間に嗉嚢の完全排出を確認。リンゴ酢5 mL/飲水250 mLで嗉嚢酸性化と酵母抑制。嗉嚢が満杯なら強制給餌禁止—誤嚥リスク。嗉嚢排出時間をモニタリング(正常: 成鳥セキセイインコで3-4時間)。治療にもかかわらず嗉嚢アトニーが持続する場合はPDD/ボルナウイルスを調査(嗉嚢生検)。基礎原因が特定・是正されれば予後良好、反復する酸敗嗉嚢は慢性基礎疾患を示唆。
予防
酸敗嗉嚢の予防には適切な衛生管理・消毒、利用可能なワクチン接種、創傷の迅速な処置、ストレス軽減、適切な換気、感染動物の隔離が含まれる。
予後
酸敗嗉嚢の予後: 早期治療で多くは良好。定期モニタリングで管理可能。
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