ホルモン性毛引き症
概要
ホルモン不均衡による羽毛破壊行動。
主な症状
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原因
インコにおける毛引きの原因は神経内分泌系の調節障害、遺伝的素因、社会化不足、過去のトラウマ体験、環境ストレス、内科疾患(疼痛・甲状腺疾患・認知機能不全)の影響が複雑に関与する。発達期(社会化期)の経験不足、慢性的環境ストレス、罰主体の躾、生活変化(飼い主変更・引越し・新規動物導入)が誘因となる。行動学的問題は患畜のQOLと飼い主との関係性に直結するため、内科疾患の除外と環境改善+行動修正+必要に応じた薬物療法の統合的アプローチが必要。(インコは気嚢システムを持ち、ストレスで急変する)
病態生理
インコにおける毛引きの病態生理は神経生物学的素因・学習・環境ストレスの相互作用により展開する。恐怖・不安では扁桃体を中心とした情動回路の過活動と視床下部-下垂体-副腎系(HPA軸)の慢性活性化が関与する。セロトニン・ドパミン等の神経伝達バランスの乱れが情動・衝動制御に影響する。嫌悪的経験の学習・社会化不足・環境の不適合が問題行動を強化・維持する。慢性ストレスは常同行動・自己傷害・身体疾患(消化管・皮膚)の併発を招く。
治療
ホルモン性毛引き症には根底にある繁殖衝動への対処が必要。第一選択: デスロレリン4.7 mgインプラントSC(GnRHアゴニスト — 性腺ホルモンを6-18ヶ月間抑制)。環境改善が重要: 光周期を10-12時間/日に短縮(長日は繁殖ホルモンを刺激)、鏡や反射面を撤去(認知されたパートナー)、巣作り場所や閉鎖空間を撤去、背中/翼のなでを避ける(性的刺激)。食事調整: 高エネルギー食を減少(種子の過剰、温かい柔らかい食品は繁殖を刺激)。皮膚損傷を伴う自己損傷: Eカラーを一時的に、局所アロエベラ、二次感染時はエンロフロキサシン15 mg/kg PO q12h。行動性羽毛破壊障害(FDB)との鑑別: ホルモン性は通常腹側体部と内股に影響; FDBは到達可能なあらゆる場所。医学的原因の除外: ダニの皮膚掻爬、PBFD PCR、甲状腺パネル、肝臓パネル。行動エンリッチメント: 採餌おもちゃ、社会的交流、トレーニング。フルオキセチン1-2 mg/kg PO q24hは難治性症例の最終手段(鳥類データ限定)。参考文献: van Zeeland et al. 2009, Rubinstein & Lightfoot 2012。
予防
インコにおける毛引きの予防は遺伝性疾患の繁殖管理と早期発見が中核。グレインフリー食関連DCM予防のためタウリン・カルニチン適切量含有食を選択。フィラリア予防徹底による右心不全予防。歯科ケアによる感染性心内膜炎予防。定期的聴診による心雑音早期発見。
予後
疾患の重症度、治療開始の早さ、治療反応により異なる。早期の適切な治療介入で一般に予後改善。
関連する薬品
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