ダニ寄生症(ワクモ・羽ダニ)
概要
ワクモや羽ダニなどの外部寄生虫による寄生で、掻痒と貧血を引き起こす。
主な症状
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原因
インコのダニ症(疥癬・毛包虫症等)は皮膚に寄生するダニ(Sarcoptes・Notoedres・Demodex・Otodectes・Cheyletiella・Psoroptes・Trixacarus 等)による。多くは直接接触で伝播する。
病態生理
疥癬類は表皮内に穿孔してアレルギー性の激しい掻痒・痂皮・脱毛を、毛包虫は毛包内で増殖して膿皮症を伴う脱毛を、耳ダニは外耳道で耳垢増生・外耳炎を起こす。掻破による二次感染を伴いやすい。
治療
外部寄生性ダニ — セキセイインコに感染する複数種: ワクモ(Dermanyssus gallinae)— 吸血性、夜間活動性(日中はケージの割れ目に潜伏);夜間の不穏、貧血、重症時死亡。羽ダニ(Megninia、Dermoglyphus)— 羽毛上に生息、多くは非病原性だが重度寄生で掻痒/羽毛損傷。気嚢ダニ(Sternostoma tracheacolum)— 主にカナリア/フィンチ、セキセイインコにも感染する;呼吸困難。【診断】: 夜間の赤ダニ目視検査(懐中電灯でケージ割れ目確認 — 吸血ダニは赤点として見える)。皮膚/羽毛掻爬とテープ標本。酢酸テープテスト。気嚢ダニにX線。【治療】: イベルメクチン0.2-0.4 mg/kg頸背部基部に外用q7-14日×3-4回(2-3週間の全ダニ生活環をカバー)。代替: イベルメクチン0.2 mg/kg PO/IM q14日×2-3回。セラメクチン23 mg/kg外用スポットオンq28日×2-3回。モキシデクチン0.2 mg/kg外用q14日×3回。気嚢ダニ特異的治療: イベルメクチン0.2 mg/kg SC q7日×3回。カルバリル粉剤は避ける(小鳥で高用量毒性)。ピレスロイド系も避ける(安全域狭い)。【貧血鳥(重度赤ダニ寄生)】: SC/IV輸液(LRS 50 mL/kg)、鉄補充(鉄デキストラン10 mg/kg IM)、PCVモニタリング — PCV<20%で輸血(相同鳥血液10-20 mL/kg IV/IO)。【環境対策(赤ダニでは重要 — ケージ内のオフホスト生息)】: 鳥を移動、ペルメトリン系鳥安全スプレーでケージを徹底噴霧(鳥の周りでのピレスロイドエアロゾルは不可)、割れ目・止まり木基部・巣箱に特に注意。木製止まり木・巣箱交換(割れ目にダニ生息)。全布製アイテムを熱水(>60°C)洗浄。10-14日後に治療反復。重度寄生: 鳥エリア周辺に珪藻土(鳥の上ではない)。新規鳥30日検疫・ダニ検査。参考文献: Harrison GJ & Lightfoot TL (2006); Greve JH (1996); Tully TN et al. (2009).
予防
インコにおける羽毛ダニの予防は定期的駆虫・媒介動物制御・環境衛生の3本柱。消化管寄生虫: 子犬子猫は2-4週齢から繰返し駆虫、成獣は便検査結果に基づく定期投与。心血管寄生虫(フィラリア): 流行地での年間予防投与(イベルメクチン・ミルベマイシン等)。外部寄生虫: 月1回の外部寄生虫予防薬投与、環境清掃。散歩後のダニチェック、媒介動物(ダニ・蚊・ノミ)の生息環境改善も重要。
予後
適切な駆虫薬治療で予後良好。環境管理なしでは再感染の可能性あり。
関連する薬品
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