蝋膜肥大(褐色肥大症)
概要
雌セキセイインコの蝋膜の過剰角化成長で、鼻孔を閉塞する可能性がある。
主な症状
原因
必須栄養素の欠乏または過剰摂取が原因であり、不適切な食事組成、吸収障害、代謝異常、需要増大(成長期・妊娠期・泌乳期)が関与する。ビタミン・ミネラル・必須アミノ酸・必須脂肪酸の不均衡は骨格発育異常、免疫機能低下、皮膚疾患、神経障害など多彩な臨床症状を引き起こす。種特異的な栄養要求量の無視が主因となる。
病態生理
栄養性疾患の病態生理は必須栄養素の不足による生化学的経路の障害に基づく。カルシウム/リン不均衡では二次性副甲状腺機能亢進症により骨吸収が促進され、骨軟化・病的骨折が生じる。ビタミン欠乏は各ビタミンが関与する酵素反応の障害をもたらし、特異的な臨床症候群を引き起こす。タンパク質-エネルギー栄養障害では異化亢進、免疫機能低下、創傷治癒遅延が生じる。
治療
通常は雌セキセイインコの美容的/ホルモン性疾患—鼻孔閉塞による呼吸障害がある場合のみ治療が必要。ミネラルオイルまたは温水湿布で過角化蝋膜組織を10-15分間軟化してから除去。鼻孔閉塞時はイソフルラン麻酔下でカーブドシザーまたはメスで余分な角化組織を穏やかに減量—出血するため過度の除去は避ける。褐色組織の完全除去を試みない—再成長する。重度のホルモン性要素が疑われる場合デスロレリン4.7 mg SCインプラント(過剰エストロゲンが蝋膜肥大を促進)。光周期調整: 明期10-12h/暗期12-14hでエストロゲンレベルを低減。疥癬ダニ(Knemidocoptes)との鑑別: ダニ病変は蝋膜と嘴周囲の痂皮性/増殖性でハニカム状トンネルあり、褐色肥大は蝋膜のみの滑らかでワックス状の角化。雄セキセイインコの蝋膜が褐色に変化した場合は精巣腫瘍を除外(セルトリ細胞腫がエストロゲンを産生)。呼吸機能をモニタリング—セキセイインコは絶対的経鼻呼吸者のため重度の鼻孔閉塞は重要。美容的懸念としての予後は優良、鼻孔管理で良好。
予防
種特異的な栄養要求量に基づいた適切な食事の提供が最も基本的な予防策である。商業用総合栄養食の使用、手作り食の場合は獣医栄養学専門医による栄養設計、成長期・妊娠期・高齢期に応じた栄養調整が必要である。特定の種(モルモットのビタミンC、草食動物の繊維質)の固有な栄養要求を理解し、サプリメントで補完することが重要である。
予後
美容的懸念としては予後優良。鼻孔閉塞が発生した場合は鼻孔管理で良好。ホルモン駆動性疾患のため再発が予想される。
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