パスツレラ症
概要
パスツレラ・ムルトシダ感染で、猫の咬傷から感染することが多い。
主な症状
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臨床徴候
インコにおけるパスツレラ症の臨床徴候は感染部位と病原体特性により多様だが、共通所見として発熱・元気消失・食欲不振・体重減少が認められる。局所感染では発赤・腫脹・疼痛・排膿を、全身感染では脱水・敗血症・多臓器不全に進展しうる。幼若・高齢・免疫抑制状態は重症化リスクが高く、早期介入が予後改善に直結する。
原因
インコにおけるパスツレラ症の原因: パスツレラ・ムルトシダ感染で、猫の咬傷から感染することが多い。
病態生理
P. multocida は咬傷部で急速に増殖して蜂窩織炎・膿瘍を、呼吸器では鼻炎・肺炎を起こす。内毒素と莢膜が病原性に関与し、免疫低下個体で重症化する。
診断
病変部スワブの培養でPasteurella multocidaを分離し感受性試験を実施。グラム染色でバイポーラ染色性のグラム陰性短桿菌を確認。CBC で白血球増加を確認。生化学でAST・LDH上昇を評価。X線で気嚢混濁・肝脾腫大を検出。外傷歴(猫による咬傷・引っ掻き傷)を聴取。インコ類ではPasteurella感染の最も重要な感染源は猫であり、猫の唾液・爪からの直接伝播が致死的敗血症を引き起こす。猫との接触歴の有無が診断の鍵となり、猫との同居環境では予防的隔離を強く推奨する。
治療
【緊急】猫咬傷によるインコのパスツレラ症は、即時治療なしでは死亡率80%以上 — パスツレラ敗血症とグラム陰性エンドトキシン血症による。直ちに抗菌薬を開始: アモキシシリン-クラブラン酸125 mg/kg PO q12h(パスツレラはβ-ラクタムに高感受性)、重症例ではペニシリンG 100-200 mg/kg IM q6-8h。代替: エンロフロキサシン15 mg/kg IM q12h + メトロニダゾール20 mg/kg PO q12h(咬傷の混合感染に対応)。創傷管理: 温生理食塩水で十分な洗浄、壊死組織のデブリードマン — 咬傷は一次閉鎖しない(ドレナージのため開放)。支持療法: IO/IV輸液蘇生、酸素補給(フローバイまたは保育器28-30°C)、メロキシカム0.5 mg/kg PO/IM q12-24hで疼痛管理。気嚢炎・体腔炎への進展をモニタリング(細菌は気嚢系を通じて急速に拡散)。猫唾液はバルトネラも伝播 — 混合感染を考慮。予防: 猫との厳格な隔離、監視下の接触でも危険。参考文献: Murray 2017, Reavill & Dorrestein 2010。
予防
パスツレラ症の予防には適切な衛生管理・消毒、利用可能なワクチン接種、創傷の迅速な処置、ストレス軽減、適切な換気、感染動物の隔離が含まれる。
予後
パスツレラ症の予後: 早期治療で多くは良好。定期モニタリングで管理可能。
関連する薬品
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