トリコモナス症
概要
トリコモナス・ガリネの感染により、口咽頭やそ嚢に乾酪性病変を形成する。
主な症状
原因
消化器系組織に感染する寄生虫が原因。感染期(卵・オーシスト・幼虫)の経口摂取・直接接触・ベクター・経皮侵入で伝播。不衛生・屋外曝露・免疫抑制・ストレスが素因。インコの食性が特定の寄生虫生活環への曝露を増加させうる。
病態生理
寄生虫は経口摂取・皮膚穿通・ベクター媒介によりインコの消化器系組織に感染を確立する。寄生体は直接的な機械的損傷・栄養競合・免疫病理学的反応を通じて宿主組織を損傷する。寄生体段階の周囲に好酸球性・肉芽腫性炎症が発生する。慢性感染は組織線維化と臓器機能障害に至る。
治療
セキセイインコのトリコモナス症(トリコモナス・ガリネ) — 口咽頭・そ嚢・食道に乾酪性(チーズ様)プラークを形成。【第一選択】: メトロニダゾール20-50 mg/kg PO q12h 5-7日間。代替: カルニダゾール20-30 mg/kg PO 単回投与、14日後に再投与(投与の容易さから欧州プロトコルで好まれる)。ロニダゾール10 mg/kg PO q24h 6-10日間 — 有効だが入手困難な場合あり。【乾酪性病変管理】: 大型口咽頭プラークは麻酔下での愛護的デブリードマンが必要な場合あり — 病変は血管豊富で出血リスクが高いため強引な除去は避ける。食道閉塞によるそ嚢停滞には温生食でそ嚢洗浄。【支持療法】: 脱水時は加温皮下輸液50-100 mL/kg/日、保温28-30°C、嚥下障害で採食不能な場合は口腔病変を迂回してそ嚢チューブ給餌。メロキシカム0.5 mg/kg PO q12-24hで口咽頭痛管理。【モニタリング】: 7日・14日で口腔内を再検 — 病変は治療開始5-7日で退縮するはず。持続する病変は耐性または誤診を示唆(カンジダ症・ビタミンA欠乏・痘ウイルスを鑑別)。治療前にそ嚢洗浄液または口咽頭スワブの鏡検で運動性栄養型を確認。接触鳥全羽をスクリーニング・治療 — 親子間給餌による垂直伝播がセキセイインコの主要感染経路。【予防】: 新規鳥の検疫、感染状態不明の親鳥からの共同給餌を回避。参考: Baker JR (1986) Avian Pathology; Amin A et al. (2014) Parasitol Res.
予防
予防には適切な飼育管理(適切な食事・清潔な環境・最適な温湿度);定期的な獣医師の健康診断;新規動物の検疫;ストレス軽減;種特異的予防措置が含まれる
予後
適切な駆虫薬治療で予後は一般的に良好。重度感染や免疫不全インコでは予後不良となりうる。環境消毒と再感染予防が長期的な予後改善に重要。定期的な糞便検査と予防的駆虫が推奨される。
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