鳥痘
概要
ポックスウイルスによる感染症で、皮膚や嘴、粘膜に皮膚型または粘膜型の病変を形成する。
主な症状
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臨床徴候
インコにおける鳥痘の臨床徴候は感染部位と病原体特性により多様だが、共通所見として発熱・元気消失・食欲不振・体重減少が認められる。局所感染では発赤・腫脹・疼痛・排膿を、全身感染では脱水・敗血症・多臓器不全に進展しうる。幼若・高齢・免疫抑制状態は重症化リスクが高く、早期介入が予後改善に直結する。
原因
インコにおける鳥痘の原因: ウイルス病原体による感染。直接接触、飛沫・空気感染、媒介物、ベクター媒介が感染経路。免疫抑制、ストレス、過密飼育、ワクチン未接種が感受性を高める。
病態生理
インコの鳥痘はAvipoxvirusによる感染で乾燥型(皮膚痘疹)と湿型(口腔/気道偽膜)がある。蚊媒介。乾燥型は嘴・眼瞼の痘疹。湿型は気道閉塞→呼吸困難 (Bolte AL et al. Avian Pathol 1999;28:581-588)。
診断
乾燥型:嘴・脚・眼瞼の疣贅様痘疹病変を肉眼で確認。湿潤型:口腔・咽頭・気管粘膜のジフテリア様偽膜を視認。病変部のFNA・圧挫標本で好酸性細胞質内封入体(Bollinger小体)を鏡検。PCR検査でAvipoxvirus DNAを検出し確定診断。電子顕微鏡でポックスウイルス粒子を同定(可能な施設で)。CBC(有核RBC手動カウント)で白血球増多を確認。二次細菌感染の培養・感受性試験を実施。鑑別として口腔カンジダ症・トリコモナス症・ビタミンA欠乏を除外。
治療
特異的抗ウイルス療法なし—免疫正常鳥では自己限定性。【皮膚型(乾性型)】: 無羽部位(嘴、ろう膜、眼瞼、足)の結節性病変は2-4週で消退。病変にポビドンヨード10%をq12h外用。痂皮の早期除去禁忌(ウイルスが内部で生存)。病変の二次性細菌感染: クロルヘキシジン0.05%またはスルファジアジン銀外用。【粘膜型(湿性型 — より重症)】: 口腔、咽頭、気管の乾酪様プラークが気道閉塞を引き起こしうる。呼吸困難/嚥下困難時は麻酔下で口腔プラークを慎重にデブリードマン。呼吸障害に生理食塩水+F10でネブライゼーション。二次感染に広域抗菌薬: エンロフロキサシン15 mg/kg PO/IM q12h。カンジダ症併発時: ナイスタチン100,000 IU/kg PO q8h。支持療法: 加温皮下輸液50-100 mL/kg/日、保温28-30°C、摂食不能時はそ嚢チューブ給餌。メロキシカム0.5-1 mg/kg PO q12-24hで疼痛管理。眼病変: 眼科用クロラムフェニコールまたはシプロフロキサシン点眼q6-8h。隔離が重要—蚊と直接接触で伝播。鳥舎の蚊対策が必須。参考: Tripathy DN (2000) Avian Viruses; van Riper C & Forrester DJ (2007) Infectious Diseases of Wild Birds.
予防
鳥痘の予防にはワクチン接種(利用可能な場合)、新規・病気動物の隔離、厳格なバイオセキュリティ対策、適切な消毒プロトコル、既知のキャリアや汚染環境との接触回避が含まれる。
予後
鳥痘の予後: 早期治療で多くは良好。定期モニタリングで管理可能。
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