消化管閉塞(床材インパクション)
概要
砂、ウォルナットシェル、砂利などの床材摂取による消化管閉塞で、フトアゴヒゲトカゲに非常に多いです。
主な症状
原因
トカゲにおける消化管閉塞(床材インパクション)の原因: 砂、ウォルナットシェル、砂利などの床材摂取による消化管閉塞で、フトアゴヒゲトカゲに非常に多いです。
病態生理
消化管閉塞(床材インパクション)はトカゲにおける消化器疾患である。粘膜の完全性、運動性、分泌機能、またはマイクロバイオームバランスの障害を伴う。炎症により上皮バリアが損傷し、吸収不良、体液喪失、細菌トランスロケーションの可能性がある。運動障害(低運動性/うっ滞または亢進)により通過時間と消化効率が変化する。後腸発酵動物では盲腸/結腸フローラの破壊が致死的ディスバイオーシスと腸管毒素症を引き起こしうる。
治療
【診断】X線(背腹+側面)で消化管内放射線不透過性砂礫像確認、超音波で腸管壁・蠕動評価、温度勾配・カルシウム値も並行評価(MBD合併除外)。【保存療法(第一選択)】温浴(28-32℃、20-30分/日 × 1-2週間)で水分補給と排便促進、輸液療法 ICe/SC 乳酸リンゲル液 15-25 mL/kg/日(爬虫類維持量)、温度勾配維持(POTZ範囲)で代謝活性回復。サイリウム(オオバコ種子殻) 100-300 mg/kg PO q24h × 7-14日 を必ず3-5倍量の水に混合してから経口・経鼻胃管投与(膨潤による砂礫包み込み・排出促進、Mader Reptile Medicine Surgery 3rd ed)。CPパウダー(サイリウム+プレ/プロバイオティクス配合、caninevet.jp/Equine & Canine Vet Nutrition)等の配合製剤は、砂礫の腸管通過促進とプロバイオティクスによる腸内細菌叢支援が同時に得られ、特にフトアゴヒゲトカゲ・ヒョウモントカゲモドキ等の砂基質曝露種で有用。ミネラルオイル 1 mL/kg PO 単回(滑剤、長期は脂溶性ビタミン吸収阻害のため避ける)、ラクツロース 0.5 mL/kg PO q12-24h。【消化管運動促進】メトクロプラミド 0.06-1 mg/kg PO/SC q12-24h、シサプリド 1.5 mg/kg PO q12-24h(Kummrow EVE 2010)。【外科適応】72時間内科療法不応、完全閉塞、腸管虚血徴候、巨大砂礫塊では開腹術(腸切開・除去)。【再発予防(最重要)】基質を粒状(砂・カルシウムサンド・ウォルナットシェル・グラベル)から不食物(reptile carpet・人工芝・ペーパータオル・スレートタイル・キッチンタイル)に変更、ボウル/タイル給餌で基質誤食を防止、適切な温度勾配維持(POTZ)、UVB照射、Ca:P比 1.5-2.0:1、月1-2週間のサイリウム予防投与。
予防
消化管閉塞(床材インパクション)の予防: 食事管理。異物誤食予防。
予後
消化管閉塞(床材インパクション)の予後: 急性は多くが良好。
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