肝不全
概要
感染性、中毒性、代謝性の原因による重篤な肝機能障害です。
主な症状
※ 症状をクリックすると、その症状を示すトカゲの他の疾患を確認できます
臨床徴候
トカゲにおける肝不全の臨床徴候は毒性物質の種類と曝露量により急性〜慢性まで多様。消化器症状(嘔吐・下痢・流涎・腹痛)が最も一般的な初期所見。神経毒では振戦・痙攣・運動失調・昏睡。肝毒では黄疸・凝固障害・肝性脳症。腎毒では乏尿・尿毒症徴候。血液毒では貧血・出血傾向・メトヘモグロビン血症。心血管毒では不整脈・低血圧・ショック。急性曝露では症状発現が迅速で、早期除染と支持療法が予後を決定する。
原因
トカゲにおける肝不全の原因: 感染性、中毒性、代謝性の原因による重篤な肝機能障害です。
病態生理
肝不全はトカゲにおける代謝・内分泌疾患である。基礎病態はホルモンのフィードバックループ、酵素活性、または基質代謝の調節障害を伴う。循環ホルモン、電解質、代謝中間体のバランス異常が複数の臓器系にわたる細胞機能に影響を及ぼす。代償機構が一時的に恒常性を維持するが、最終的に代償不全に陥り、進行性の臨床的悪化と多臓器への影響を引き起こす。
診断
血液生化学で肝酵素(AST・ALT顕著上昇)、胆汁酸上昇、低アルブミン、低コレステロール、低血糖、凝固異常を評価。超音波検査で肝実質エコー変化(脂肪肝→高エコー、肝炎→低エコー)・肝サイズ・体腔液貯留を確認。肝生検が確定診断に最も有用で、脂肪変性・壊死・線維化・炎症パターンを組織学的に評価。X線で肝腫大・腹水を確認。原因検索として毒素曝露歴(薬物・殺虫剤)、感染症(アデノウイルスPCR)、栄養不良を調査。POTZ内管理で代謝を維持し正確な検査値を得る。
治療
【トカゲにおける肝不全】 肝不全はトカゲにおける正確な臨床評価(病歴、身体検査、CBC・生化学、画像)から治療方針を決定。 基礎疾患の特定→特異的治療+支持療法の組み合わせが原則。 経過モニタリング: 主訴の改善、検査値の変化、QOLを2-4週毎に再評価。 複雑症例はトカゲ専門医(ACZMまたはAVMAエキゾチック分科会等)に紹介を検討。 支持療法(爬虫類): 種別POTZ(preferred optimum temperature zone)維持が免疫機能回復の前提条件。輸液 25-30 mL/kg/日 SC/ICe(ノルモソルR、温熱)、強制給餌(Carnivore Care 等)、メロキシカム 0.2-0.5 mg/kg PO/IM q24-48h(NSAID持続投与時は腎機能をモニタ)。 【鑑別と経過観察】類似症候を呈する疾患の除外と、治療4-8週後の再評価が予後改善の鍵。重症度・併発症によってはトカゲの専門医紹介を考慮する。
予防
肝不全の予防には適切な食事設計、血液検査を含む定期的な健康モニタリング、健康体重の維持、過剰なおやつや不適切な食事の回避、無症候性変化の早期発見時の迅速な介入が含まれる。
予後
肝不全の予後: 早期治療で多くは良好。定期モニタリングで管理可能。
関連する薬品
※ 薬品名をクリックすると詳細な投与量・副作用情報を確認できます
消化器の他の疾患(トカゲ)
VetDictでトカゲの鑑別診断を行う
症状チェッカーを使う関連する疾患
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。