耳介血腫
Aural Hematoma / 耳介血腫
概要
耳の軟骨と皮膚の間に血液が溜まる状態で、通常は頭を振ったり耳を掻くことで発生します。
主な症状
耳だれ
頭を振る
腫れ・浮腫
原因
外耳炎・耳ダニ・アレルギーによる掻痒→耳の掻破・頭振り。垂れ耳犬種(コッカースパニエル、バセットハウンド)に好発。凝固異常がある場合は大きな血腫になりやすい。
病態生理
耳の掻破・頭部振盪→耳介軟骨と皮膚間の血管破裂→血腫形成。無治療では線維化・耳介の変形(カリフラワー耳)。基礎に外耳炎・アレルギー→掻痒→掻破の悪循環。免疫介在性の血管炎が関与するとの説もある。
治療
原因治療が重要:外耳炎、アレルギー、ダニ感染等の掻痒原因を特定・治療。外科的排膿+固定が標準:切開→排液→マットレス縫合で耳介軟骨と皮膚を圧着(デッドスペース除去)。2-3週後抜糸。代替法:反復穿刺排液+ステロイド注入(トリアムシノロン1-2 mg 局注 — 再発率高い)。非侵襲法:圧迫包帯(効果限定的)。ステロイド併用:プレドニゾロン(0.5-1 mg/kg PO q24h 5-7日漸減)で再発率低減。エリザベスカラー装着(耳掻き予防)。未治療では「カリフラワー耳」に瘢痕変形。参考文献: Joyce JA. JSAP 2010; Kuwahara J. JAAHA 1986.
予防
基礎疾患(外耳炎・アレルギー)の早期・適切な治療、耳の掻痒の原因精査と管理。
予後
予後は原疾患により大きく異なる。感染性皮膚疾患の多くは適切な治療により完治が期待できる。アレルギー性皮膚炎は完治困難であるが、アレルゲン回避・薬物療法・免疫療法の組み合わせにより良好な管理が可能である。自己免疫性皮膚疾患では長期の免疫抑制療法が必要となる。皮膚腫瘍の予後は組織学的な悪性度と完全切除の可否に依存する。
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※ 本ページの情報は獣医学的参考資料であり、診断・治療の代替ではありません。実際の診療は必ず獣医師にご相談ください。
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。
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