カンジダ症
概要
Candida albicansによる真菌感染症。そのう・食道・口腔に好発。幼鳥(手乗り雛)、抗菌薬長期使用後、免疫低下鳥に多い。口腔内の白色プラーク、そのう停滞、嘔吐が特徴的。
主な症状
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臨床徴候
鳥におけるカンジダ症(そ嚢真菌症)の臨床徴候は感染部位と病原体特性により多様だが、共通所見として発熱・元気消失・食欲不振・体重減少が認められる。局所感染では発赤・腫脹・疼痛・排膿を、全身感染では脱水・敗血症・多臓器不全に進展しうる。 皮膚病変(円形脱毛・落屑・痂皮)、慢性鼻汁、または深在性真菌症では咳・体重減少・神経症状が見られる。幼若・高齢・免疫抑制状態は重症化リスクが高く、早期介入が予後改善に直結する。
原因
抗菌薬の長期使用(正常細菌叢の破壊)、免疫低下(PBFD・PDD等の基礎疾患)、挿し餌の不適切な温度管理・衛生管理、ビタミンA欠乏。幼鳥は正常細菌叢が未確立のためリスクが高い。
病態生理
カンジダ症は鳥における真菌感染症である。真菌は胞子吸入、直接接種、または粘膜コロニー形成を通じて感染を確立する。菌糸または酵母形態が酵素分解と機械的圧力により組織に侵入し、肉芽腫性炎症反応を惹起する。免疫不全個体は特に感受性が高い。感染は局所にとどまるか、血行性に遠隔臓器へ播種される可能性がある。慢性感染は線維化、組織リモデリング、進行性臓器機能障害を引き起こしうる。
診断
そのう液の直接鏡検(出芽酵母・仮性菌糸の確認:Candida albicans が最多)。そのう液のグラム染色(グラム陽性大型酵母)。真菌培養(Sabouraud寒天・CHROMagar Candida で種同定)。CBC(ヘテロフィル増多)・生化学(総蛋白低下)。鳥類のそのうは生理的にグラム陽性桿菌が優勢であり、グラム陰性菌・酵母の過剰増殖は異常を示す。抗菌薬長期投与・免疫抑制・ビタミンA欠乏が素因となる。幼鳥では重症化しやすく、全身性カンジダ症への進展を警戒する。
治療
鳥カンジダ症(thrush、moniliasis)の治療: ① そ嚢・口腔・GI でC. albicans感染、幼鳥(雛)に多い—そ嚢内白斑・粘液性そ嚢液、食滞、嘔吐、消化不良。成鳥は免疫抑制(PBFD、PDD、長期抗菌薬、不適切栄養)で発症。② 確定: そ嚢洗浄液KOH/グラム染色(出芽酵母・偽菌糸)、培養(Sabouraud)、PCR。③ 局所治療: ニスタチン経口懸濁液 100,000 IU/羽 PO q8h × 7-14日(第一選択)、投与は強制給餌チューブで直接そ嚢へ。④ 全身治療(重症・難治性): フルコナゾール 10-15 mg/kg PO q24h × 14-21日、ケトコナゾール 30 mg/kg PO q12h(代替)。⑤ そ嚢洗浄: 重症例は鎮静下で滅菌生食でそ嚢洗浄・残留物除去。⑥ 食事改善: ペレット食への切替、新鮮水(毎日交換)、ヨーグルト/プロバイオ。⑦ 環境: 哺乳器具消毒(次亜塩素酸1:32)、繁殖期は親鳥のスクリーニング。Harrison & Lightfoot Clinical Avian Medicine 2006; Speer Current Avian Therapy 4th ed。支持療法(鳥類): 保温28-30℃(重症は30-32℃)、皮下/骨内輸液 50-100 mL/kg/日 (温乳酸リンゲルまたはノルモソルR)、強制給餌(Emeraid Omnivore/Carnivoreなど 20-30 mL/kg q4-6h)、酸素分圧40%以下を維持しつつ呼吸補助。全身感染:フルコナゾール(5〜10mg/kg SID)。口腔内プラークの除去。そのう洗浄(重度そのう炎)。基礎疾患の治療。不適切な抗菌薬の中止。
予防
カンジダ症の予防には適切な環境湿度・温度の維持、良好な換気、過密の回避、定期的な清掃・消毒、罹患個体の隔離、適切な栄養による免疫機能の維持が含まれる。
予後
カンジダ症の予後: 早期発見と適切な治療で多くの疾患は予後良好。慢性疾患は定期的モニタリングと治療調整で長期管理可能。
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