サルモネラ症
概要
サルモネラ属感染症。人獣共通感染症の懸念あり。
主な症状
原因
両生類におけるサルモネラ症の原因: 創傷汚染、経口摂取、吸入、日和見的過剰増殖による細菌コロニー形成。ストレス、免疫抑制、不衛生、過密飼育、併発疾患が素因となる。
病態生理
サルモネラ症は両生類における細菌感染症である。病原菌は付着因子を通じて組織にコロニーを形成し、毒素産生、酵素分泌、免疫回避戦略などの病原性メカニズムを介して侵入する。好中球浸潤、サイトカイン放出、補体活性化を含む炎症カスケードが生じる。組織損傷は細菌の直接作用と宿主の炎症反応の両方に起因する。菌種と宿主の免疫状態に応じて、膿瘍形成、敗血症、または慢性肉芽腫性炎症が発生しうる。
治療
両生類サルモネラ症の治療 — 【人獣共通感染症警告】Salmonella属はCDC認定の両生類由来人獣共通感染症病原体(特にアフリカツメガエル、水棲カエル、ヒキガエル類 — CDC 2009-2011年アウトブレイク報告)。飼い主への手指衛生教育、5歳未満小児・免疫不全者の接触禁止、公衆衛生報告が症例管理に不可欠。【1】診断: 総排泄腔/糞便を選択培地(XLD、ヘクトエン、SS寒天)で培養、増菌培地(亜セレン酸、テトラチオン酸)併用 — 間欠的排菌のため3回連続サンプル推奨。PCR(invA遺伝子)で迅速スクリーニング。敗血症時は血液培養。血清型別と薬剤感受性試験は必須(多剤耐性株—Typhimurium DT104、S. enterica各血清型—が多く経験的治療はしばしば失敗)。無症候性キャリア(治療適応なし)と臨床発症(下痢、食欲不振、敗血症)を鑑別。【2】第一選択抗菌薬(培養指向、経験的使用は避ける): トリメトプリム・スルファメトキサゾール30 mg/kg PO q24h × 14-21日間(感受性株)、または重症/耐性例にセフタジジム20 mg/kg ICe/IM q72h × 3-5回(Wright 2006)。代替: エンロフロキサシン10 mg/kg PO/IM q24h × 14日間(幼生軟骨毒性注意 — 成体のみ)。無症候性キャリアへの経験的抗菌薬は回避 — 排菌除去できず耐性化を招く。【3】支持療法: 両生類リンゲル液 ICe 25-50 mL/kg q12-24h(補液完了まで);敗血症例には0.5%食塩浅浴で浸透圧支援;水分補正後にメロキシカム0.2 mg/kg SC q24h × 3-5日間で炎症抑制;食欲回復後にミミズスラリー強制給餌。【4】環境消毒: 塩素中和水で完全水替え、Virkon S 1% × 20分または次亜塩素酸1:32 × 10分で水槽消毒(十分洗浄後使用)、床材全交換、給餌器具滅菌。罹患個体は専用の非多孔性水槽で隔離。【5】人獣共通感染予防(重要): 全取り扱い時にニトリル手袋着用、接触後の抗菌石鹸手洗い、調理場との交差汚染防止、食品調理エリアのシンクに飼育水を廃棄しない、妊婦・乳幼児・高齢者・免疫不全者の直接接触禁止。CDC形式の飼い主向けハンドアウト提供。【6】経過観察: 治療後2週目と4週目に再培養 — 【重要注意】臨床寛解≠排菌停止;無症候性キャリアは治療成功後も終生間欠的に排菌し続ける可能性がある。慢性排菌個体は持続的な人獣共通感染リスクとなり、脆弱な家族がいる場合は安楽死の議論も必要になりうる。参考文献: CDC MMWR 2010(両生類関連サルモネラアウトブレイク)、Wright & Whitaker 2001、Pasmans et al. 2008 J Am Vet Med Assoc、Mermin et al. 2004 Pediatrics(爬虫両生類サルモネラ症)、Pessier 2013。
予防
サルモネラ症の予防には適切な衛生管理・消毒、利用可能なワクチン接種、創傷の迅速な処置、ストレス軽減、適切な換気、感染動物の隔離が含まれる。
予後
サルモネラ症の予後: 早期治療で多くは良好。定期モニタリングで管理可能。
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