線虫感染症
概要
腸管内線虫の寄生による栄養不良と消化器症状。
主な症状
原因
消化器系組織に感染する寄生虫が原因。感染期(卵・オーシスト・幼虫)の経口摂取・直接接触・ベクター・経皮侵入で伝播。不衛生・屋外曝露・免疫抑制・ストレスが素因。両生類の食性が特定の寄生虫生活環への曝露を増加させうる。
病態生理
寄生虫は経口摂取・皮膚穿通・ベクター媒介により両生類の消化器系組織に感染を確立する。寄生体は直接的な機械的損傷・栄養競合・免疫病理学的反応を通じて宿主組織を損傷する。寄生体段階の周囲に好酸球性・肉芽腫性炎症が発生する。慢性感染は組織線維化と臓器機能障害に至る。
治療
両生類線虫感染症の治療 — 消化管内回虫類(Rhabdias属肺線虫、Strongyloides、Cosmocercoides、Oswaldocruzia)は野生捕獲両生類で非常に一般的で、進行性体重減少、食欲不振、ガス交換障害(肺線虫)を引き起こす。【1】診断: 糞便浮遊法(ZnSO4が両生類寄生虫に適し、標準NaCl浮遊法より偽陰性少)、運動性幼虫観察用直接湿潤標本、Rhabdias幼虫用Baermann法; 小型種ではクロアカ洗浄液採取; 全身性Rhabdiasには経気管洗浄または肺洗浄; 同胞群スクリーニングには剖検。【2】駆虫療法(線虫種と両生類サイズ/ステージで選択): (a)フェンベンダゾール 50-100 mg/kg PO q24h × 3-5日、14日後反復(消化管線虫の第一選択、Wright 2006 — 多くの両生類種で安全); (b)イベルメクチン 0.2 mg/kg経皮(プロピレングリコール1:10希釈)または 0.2-0.4 mg/kg SC(注意 — 一部のカメと一部のサンショウウオで毒性報告; 単一個体で事前試験; 血液脳関門破綻動物には使用禁忌); (c)レバミゾール 10 mg/kg ICe q14d × 2-3回(Rhabdias肺線虫の第一選択); (d)ピランテルパモ酸 5 mg/kg PO q14d × 2回(回虫型線虫)。小型ヤドクガエルへのモキシデクチン回避(毒性報告)。【3】支持療法: 脱水補正に両生類リンゲル液浴、回復期は給餌頻度増加、再感染防止のため養殖餌生物へ移行。【4】環境除染: Rhabdiasは自由生活土壌期を持つ直接生活環 — 治療間に全基質交換、飼育容器を10%アンモニアまたは次亜塩素酸Naで消毒、治療中は湿潤有機基質回避。【5】モニタリング: 初回治療後14-21日で糞便再検; Rhabdiasは複数回治療サイクルが必要なことが多い; 体重をq7d監視。【6】隔離: 全野生捕獲両生類は施設ベストプラクティスに基づき30-60日検疫中に経験的フェンベンダゾール+レバミゾールプロトコル実施。参考文献: Wright & Whitaker 2001, Pessier 2013, Mader 2006 Reptile Med Surg, Poynton & Whitaker 2001。
予防
予防には適切な飼育管理(適切な食事・清潔な環境・最適な温湿度);定期的な獣医師の健康診断;新規動物の検疫;ストレス軽減;種特異的予防措置が含まれる
予後
適切な駆虫薬治療で予後は一般的に良好。重度感染や免疫不全両生類では予後不良となりうる。環境消毒と再感染予防が長期的な予後改善に重要。定期的な糞便検査と予防的駆虫が推奨される。
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