腸脱出
概要
寄生虫、腸炎、いきみなどにより腸組織が総排泄腔から突出する状態です。
主な症状
※ 症状をクリックすると、その症状を示すリクガメの他の疾患を確認できます
臨床徴候
リクガメにおける腸脱の臨床徴候は寄生虫種・寄生部位・寄生数により異なる。消化管寄生では下痢・嘔吐・体重減少・腹部膨満、外部寄生では掻痒・脱毛・皮膚炎、心血管寄生では咳・運動不耐性・腹水、血液寄生では貧血・発熱・元気消失を呈する。幼若・栄養不良個体では重症化しやすく、慢性経過では発育不良が顕著となる。
原因
消化器系組織への物理的外傷が原因。転落・ケージ損傷・取扱い事故・同居個体や捕食者からの咬傷・環境危険物が一般的原因。リクガメの解剖学的特性が特定の損傷タイプへの素因となりうる。二次合併症として感染・治癒遅延・慢性疼痛がある。
病態生理
リクガメの消化器系組織への外傷性損傷は、挫傷・裂傷・骨折を含む直接的な機械的組織損傷を引き起こす。急性炎症反応により浮腫・出血・疼痛が生じる。二次合併症として細菌汚染・感染・治癒遅延がある。リクガメでは損傷からのストレスが追加の全身合併症を引き起こしうる。
診断
総排泄腔から突出した組織の視診で、脱出臓器(直腸・卵管・膀胱・ペニス)を鑑別する。脱出組織の色調・浮腫・壊死の程度を評価し、還納可能性を判断する。X線検査で体腔内の卵停滞・結石・腫瘤など脱出原因となる基礎疾患を検索する。CBC・血液生化学(Ca・尿酸・TP)で全身状態と代謝異常を評価。リクガメでは産卵期の雌に卵管脱が好発し、低カルシウム血症が誘因となることが多い。POTZ維持が治療反応に直結するため環境温度の確認が必須。
治療
リクガメにおける腸脱出の治療: 輸液で脱水補正。消化管運動促進薬。制吐薬。疼痛管理。食事管理(繊維質の確保)。原因に応じた特異的治療。
予防
予防には適切な飼育管理(適切な食事・清潔な環境・最適な温湿度);定期的な獣医師の健康診断;新規動物の検疫;ストレス軽減;種特異的予防措置が含まれる
予後
外傷の予後は損傷の重症度と合併症の有無に依存する。軽度外傷は適切な創傷管理で予後良好。重度外傷、多発骨折、脊髄損傷は予後慎重〜不良。早期治療と適切な疼痛管理が回復を促進する。
消化器の他の疾患(リクガメ)
VetDictでリクガメの鑑別診断を行う
症状チェッカーを使う関連する疾患
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。