卵塞(難産)
概要
カルシウム不足、過大卵、産卵場所の欠如などにより卵を産めない状態です。
主な症状
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臨床徴候
リクガメにおける卵詰まり(難産)の臨床徴候は生殖器病態により異なる。子宮蓋膿症: 多飲多尿・嘔吐・元気消失・腹部膨満・陰部分泌物(開放型)または無症候進行(閉鎖型)。乳腺炎: 乳房腫脹・疼痛・発熱・乳汁異常。前立腺疾患: 排尿困難・血尿・排便困難・後肢跛行。難産: 分娩遷延・努責持続・分娩間隔異常・母体ぐったり。妊娠中毒症: 終末期妊娠の元気消失・食欲不振・神経症状。
原因
リクガメの卵塞の原因:代謝性:重度低カルシウム血症(最多、>70%の症例)、脱水、栄養不良(ビタミンA欠乏)。機械的:過大/奇形卵、骨盤異常(先行外傷/疾患)、卵管瘢痕化。環境:産卵場所不適切、床材不適切(硬い/圧縮)、産卵前のコンディション不十分(交配刺激不足、巣作り行動刺激不足)。神経筋:筋力低下(肥満/栄養不良)、神経学的疾患。
病態生理
リクガメの卵塞は低カルシウム血症による卵管蠕動障害(カルシウム依存性平滑筋収縮障害)と産卵場所刺激不足または物理的閉塞の複合。長期停滞は卵管進行性拡張、血管障害、粘膜虚血、細菌易位を起こす。卵管壁破裂または卵殻破裂で卵黄が体腔内に灑出→体腔炎・腹膜炎。敗血症・多臓器不全が急速に進行。発症から>3-4週で高い死亡率。
診断
腹部X線で卵殻の石灰化・数・位置・骨盤腔との大きさの比較を評価。超音波で卵管壁肥厚・自由液体(卵黄性体腔炎の合併)を確認。血液生化学でiCa(<1.0 mmol/Lは子宮収縮不全を示唆)・総蛋白・UA上昇(腎障害合併)を評価。CBC(ヘテロフィル増多→卵管炎合併)。プラストロン透過光検査で卵の位置を非侵襲的に評価。環境歴聴取(産卵場所の有無・基質深さ・温度・湿度)が閉塞性 vs 非閉塞性の鑑別に重要。
治療
リクガメの卵塞治療:1) 安定化:温浴(至適温度28-35℃ × 20-30分、種による)、輸液(結晶液50-100 mL/kg/日 IV/IC)、鎮痛(メロキシカム0.1-0.2 mg/kg IM q48h)。2) 内科管理:グルコン酸カルシウム50-100 mg/kg IV/IC(10-15分かけて緩徐投与)、オキシトシン1-10 IU/kg IM(非閉塞性、総排泄腔開放時のみ)。温浴4-6時間毎。レントゲン/超音波で確認。3) 手術(内科失敗または閉塞確認時):プロポフォール5-10 mg/kg IV またはアルファキサロン5-10 mg/kg IV、イソフルラン維持。手術選択肢:a) 経皮的卵吸引、b) 卵管切開術、c) 卵巣卵管摘出術(重度卵管損傷/感染)。4) 抗菌薬:エンロフロキサシン5-10 mg/kg IM/IV q48h またはセフタジジム20-40 mg/kg IV q72h × 14-21日。5) 術後:輸液48-72時間、メロキシカム7-10日、食欲監視、UVB+カルシウム補給。
予防
卵塞(難産)の予防: 定期健診。適切な栄養。ストレス軽減。早期受診。
予後
卵塞(難産)の予後: 早期治療で多くは良好。定期モニタリングで管理可能。
関連する薬品
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