慢性濾胞停滞
概要
排卵前卵胞の慢性停滞による体腔膨大。
主な症状
原因
トカゲにおける慢性濾胞停滞の原因: 排卵前卵胞の慢性停滞。
病態生理
慢性濾胞停滞はトカゲにおける消化器疾患である。粘膜の完全性、運動性、分泌機能、またはマイクロバイオームバランスの障害を伴う。炎症により上皮バリアが損傷し、吸収不良、体液喪失、細菌トランスロケーションの可能性がある。運動障害(低運動性/うっ滞または亢進)により通過時間と消化効率が変化する。後腸発酵動物では盲腸/結腸フローラの破壊が致死的ディスバイオーシスと腸管毒素症を引き起こしうる。
治療
【診断】超音波で慢性化した卵胞群(嚢胞性変性、内部エコー上昇、出血性嚢胞)と腹水確認。X線で卵殻なし(卵停滞除外)。CBC・生化学で慢性化所見(低カルシウム、低アルブミン、白血球上昇)、コレステロール持続上昇。体腔鏡で卵胞性質と癒着評価(出血性卵胞・腹膜炎合併確認)。【治療】内科的管理は慢性例では成功率10%以下: カルシウムグルコン酸100 mg/kg SC q24h、ビタミンD3 1000 IU/kg IM、カルシトニン50 IU/kg SC(カルシウム正常化後)、レポリプリン1 µg/kg SC(実験的)。【外科適応】卵巣卵管摘出術(OE)が第一選択。慢性食欲不振6週以上・体重減少>10%・体腔膨大進行・腹水・内科治療無効例で適応。腹甲経由開創(リクガメ)または腹側内視鏡下OE(トカゲ・ヘビ)。出血性卵胞では血管結紮を慎重に。術前カルシウム/タンパク補正、術中加温(28-30℃)、酸素飽和度モニター、術後5-7日入院、抗菌薬(セフタジジム20 mg/kg IM q72h)、鎮痛(メロキシカム0.2 mg/kg PO q24h、トラマドール5-10 mg/kg PO q24-48h)。【支持療法】温浴・SC輸液・強制給餌・UVB照射。【再発予防】OE後は再発なし。未手術例: 適切な光周期、温度勾配、UVB、産卵基質、雄分離。【参考文献】Mader DR. Reptile Medicine and Surgery 3rd ed (2019); Stahl SJ. Vet Clin North Am Exot Anim Pract (2002); DeNardo D in Mader (2019); Kummrow MS. J Zoo Wildl Med - reptile reproductive endocrinology; Carpenter JW. Exotic Animal Formulary 6th ed (2022).
予防
慢性濾胞停滞の予防: 食事管理。異物誤食予防。
予後
慢性濾胞停滞の予後: 急性は多くが良好。
関連する薬品
※ 薬品辞書で詳細な投与量・副作用情報を確認できます
消化器の他の疾患(リクガメ)
VetDictでリクガメの鑑別診断を行う
症状チェッカーを使う関連する疾患
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。