耳膿瘍
概要
リクガメにおける細菌性の皮膚疾患。耳膿瘍は適切な診断と治療管理が重要である。早期発見と適切な介入が予後改善の鍵となる。
主な症状
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臨床徴候
リクガメにおける耳膿瘍の臨床徴候は感染部位と病原体特性により多様だが、共通所見として発熱・元気消失・食欲不振・体重減少が認められる。局所感染では発赤・腫脹・疼痛・排膿を、全身感染では脱水・敗血症・多臓器不全に進展しうる。幼若・高齢・免疫抑制状態は重症化リスクが高く、早期介入が予後改善に直結する。
原因
リクガメにおける細菌性の皮膚疾患。耳膿瘍は適切な診断と治療管理が重要である。早期発見と適切な介入が予後改善の鍵となる。
病態生理
リクガメの耳膿瘍(aural abscess)はビタミンA欠乏→鼓膜の扁平上皮化生→角質栓形成→二次細菌感染→鼓室内膿瘍。リクガメの「耳」は鼓膜が体表に露出した構造で、ビタミンA欠乏時に特徴的な両側性の耳後方膨隆を呈する。半水棲カメ(アカミミガメ等)で特に好発するが陸棲リクガメでも報告あり (McArthur S et al. 2004)。
診断
鼓膜部の視診で片側性または両側性の腫脹を確認。リクガメの耳膿瘍は乾酪状(caseous)の固形膿が特徴で、液状膿は形成しない。X線またはCTで鼓室内の軟部組織陰影・骨溶解の有無を評価。細針穿刺(FNA)で乾酪物質を採取し細胞診・培養を実施。原因菌はPseudomonas・Citrobacter等のグラム陰性菌が多い。飼育環境(低湿度・ビタミンA欠乏)の聴取が病因特定に重要
治療
耳膿瘍(リクガメ)。★リクガメで最も一般的な外科疾患の一つ。鼓膜後方に乾酪状膿瘍を形成★。外科的切除: 全身麻酔下で鼓膜を切開し、乾酪状膿瘍物質を一塊切除。 ★液状の膿ではないため吸引・排膿は不可 — 鉗子/キュレットで掻爬★。 腔内を0.05%クロルヘキシジン/生理食塩水で十分に洗浄。 開放創管理(二次治癒)or 部分閉鎖。抗菌薬: セフタジジム 20 mg/kg IM q72h × 2-4週。 C&S(培養感受性試験)で調整。嫌気性菌にメトロニダゾール 20 mg/kg PO q48h。術後管理: 毎日の創洗浄+SSDクリーム。清潔な基材(キッチンペーパー)。 POTZ維持(免疫機能最大化)。水場なし or 浅い水場(創部浸水防止)。原因精査: ビタミンA欠乏(扁平上皮化生→導管閉塞)が主因。 ビタミンA: 2,000-5,000 IU/kg IM(単回)。過剰症に注意。 食事改善: ビタミンA豊富な葉野菜(ニンジン葉、タンポポ葉)。再発率: ビタミンA欠乏未補正で高い。食事改善で予防。予後: 外科的切除で良好。両側性は聴力低下の可能性。
予防
リクガメにおける耳膿瘍の予防は適切なワクチネーションプログラムの実施が中核である(利用可能な場合)。衛生的飼育環境の維持、新規導入動物の検疫期間設定(最低14日、感染症によっては60日以上)、過密飼育の回避、適切な栄養管理による免疫力維持、ストレス軽減が重要。感染動物との接触回避、汚染器具・環境の消毒(次亜塩素酸・アルコール系・第四級アンモニウム製剤を病原体に応じて選択)を徹底する。定期的健康診断による早期発見と治療が蔓延防止に寄与する。
予後
外科的排膿(鼓膜切開→乾酪様物質の掻爬)+ビタミンA注射(2000 IU/kg IM 単回、過剰投与注意)+全身抗菌薬で予後良好。ビタミンA欠乏の食事改善(ニンジン、カボチャ等のβカロテン含有野菜)が再発予防に必須 (McArthur S et al. 2004)。
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