肺炎(下部呼吸器感染症)
概要
肺の細菌・真菌感染症で、水棲ガメでは泳ぐ時に片側に傾くことがあります。
主な症状
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原因
リクガメにおける肺炎の原因は気道病原体(細菌・ウイルス・真菌)の上気道または下気道への感染である。環境ストレス(温度急変・湿度変動・換気不良)、過密飼育、集団輸送、煙草の煙・粉塵への曝露が発症リスクを増大させる。気道解剖学的異常を有する個体、若齢・高齢、免疫抑制状態は重症化しやすい。複数病原体の併発感染(例: ボルデテラ+パラインフルエンザウイルス)が病態を悪化させることが多い。(リクガメは種別POTZ維持が免疫機能回復の前提)
病態生理
リクガメにおける肺炎の病態生理は気道・肺実質・胸腔の機能/構造異常によりガス交換が障害される。上気道閉塞(喉頭麻痺・気管虚脱)では吸気抵抗増大→陰圧性気道虚脱→気道炎症の悪循環を生じる。下気道・肺実質病変(肺炎・肺水腫・気管支炎)では換気血流不均衡・拡散障害により低酸素血症を来す。胸腔病変(胸水・気胸)では肺の物理的圧排により拘束性換気障害を生じる。慢性低酸素は肺高血圧・右心負荷(肺性心)に進展し、急性増悪は呼吸不全・チアノーゼを呈する。
治療
酸素補充、ストレス/ハンドリングの最小化、原因の特定と治療。ネブライゼーション、気管支拡張薬、必要に応じた胸腔穿刺。重症例は入院管理。
予防
リクガメにおける肺炎の予防は適切なワクチネーションプログラムの実施が中核である(利用可能な場合)。衛生的飼育環境の維持、新規導入動物の検疫期間設定(最低14日、感染症によっては60日以上)、過密飼育の回避、適切な栄養管理による免疫力維持、ストレス軽減が重要。感染動物との接触回避、汚染器具・環境の消毒(次亜塩素酸・アルコール系・第四級アンモニウム製剤を病原体に応じて選択)を徹底する。定期的健康診断による早期発見と治療が蔓延防止に寄与する。
予後
適切な抗菌薬療法と感染源制御で予後良好。慢性または深部感染は長期管理が必要。免疫不全の個体はより予後要注意。
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