腹壁ヘルニア
概要
腹壁欠損部からの体腔内容物の脱出。
主な症状
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臨床徴候
リクガメにおける腹壁ヘルニアの臨床徴候は病態と進行段階により多様である。一般的非特異的所見(食欲不振・元気消失・体重減少)に加え、罹患臓器・系統に特異的な症状が顕在化する。病歴聴取と詳細な身体検査により症状パターンを把握し、補助検査で確定診断に至る。早期発見と適切な介入が予後改善の鍵となる。
原因
リクガメにおける腹壁ヘルニアの原因: 腹壁欠損部からの体腔内容物の脱出。
病態生理
腹壁ヘルニアはリクガメにおける先天性・遺伝性疾患である。胚発生中の発達異常または遺伝子変異に起因する。構造的奇形により正常な臓器の発達と機能が障害される。遺伝子変異は酵素活性、構造タンパク質、調節経路に影響しうる。出生時に存在するか、動物の成長に伴い発現する場合がある。選択的交配により特定の品種・系統で遺伝性疾患の有病率が高まることがある。
診断
鼠径部・大腿部の視診・触診で還納可能な軟部組織腫脹を確認。体位変換により腫脹のサイズ変化を評価。超音波検査でヘルニア内容物(腸管・脂肪組織・膀胱)と欠損孔径を評価。X線でヘルニア嚢内の消化管ガスパターン・臓器変位を確認。造影X線で嵌頓(かんとん)腸管の有無を評価。CBC・血液生化学で嵌頓に伴う組織壊死・敗血症の有無を確認。産卵後の雌で好発するため繁殖歴を聴取。甲羅の欠損・外傷歴の確認。外科的修復の適応判断にCT検査が有用。
治療
リクガメ腹壁ヘルニア: ① 病態—外傷、卵管/腸管脱出、先天性弱化により腹壁筋層の欠損—皮下に内臓脱出。② 確定: 触診、超音波(脱出臓器同定)、X線。③ 外科治療: ヘルニア整復+腹壁修復(全身麻酔下、PDS 4-0/5-0で層別縫合)—緊急性は嵌頓・血流障害の有無で判断。④ 周術期: 絶食24-72時間(種別)、POTZ維持、温輸液 25-30 mL/kg/日。⑤ 麻酔: アルファキサロン 5-15 mg/kg IM/IV + イソフルラン、IPPV準備。⑥ 鎮痛: メロキシカム 0.2-0.5 mg/kg PO/IM q24-48h × 5-7日、ブプレノルフィン 0.01-0.05 mg/kg IM q12-24h(補助)。⑦ 抗菌薬予防: エンロフロキサシン 5-10 mg/kg IM q24h × 7-10日、セフタジジム 20 mg/kg IM q72h(汚染創時)。⑧ 術後: 活動制限、創部清潔保持(POTZ・湿度管理)、栄養支持。Mader 2019。支持療法(爬虫類): 種別POTZ(preferred optimum temperature zone)維持が免疫機能回復の前提条件。輸液 25-30 mL/kg/日 SC/ICe(ノルモソルR、温熱)、強制給餌(Carnivore Care 等)、メロキシカム 0.2-0.5 mg/kg PO/IM q24-48h(NSAID持続投与時は腎機能をモニタ)。
予防
腹壁ヘルニアの予防: 定期健診。適切な栄養。ストレス軽減。早期受診。
予後
腹壁ヘルニアの予後: 早期治療で多くは良好。定期モニタリングで管理可能。
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