卵巣腫瘍
概要
爬虫類における腫瘍性の生殖器系疾患。卵巣腫瘍は適切な診断と治療管理が重要である。早期発見と適切な介入が予後改善の鍵となる。
主な症状
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臨床徴候
爬虫類における卵巣腫瘍の臨床徴候は罹患臓器と腫瘍の種類により多様。一般的所見: 進行性の腫瘤形成・体重減少・食欲不振・元気消失・貧血。体表腫瘤では触知可能な腫脹・疼痛を、内臓腫瘍では腹部膨満・嘔吐・下痢・呼吸困難・リンパ節腫大などの非特異的症状を呈する。傍腫瘍症候群として高カルシウム血症(リンパ腫・肛門周囲腺癌)や低血糖(インスリノーマ)を合併することがある。
原因
病因不明。様々な腫瘍型:顆粒膜細胞腫、未分化胚細胞腫、奇形腫、腺癌。生殖活性のある雌でより一般的。慢性卵胞停滞や生殖機能障害との関連の可能性。
病態生理
卵巣組織の腫瘍性転換。腫瘍はホルモン活性を持ち、エストロゲンやその他のホルモンを産生して全身的影響を引き起こしうる(高エストロゲン血症、雄でのビテロジェネシス)。大きな腫瘍は体腔占拠、臓器圧迫、破裂による体腔炎の可能性。
診断
卵巣腫瘍の診断は、超音波検査で卵巣の腫大と正常卵胞構造の消失を確認し、FNA細胞診で腫瘍細胞を検出する。卵巣腺癌・顆粒膜細胞腫・テコーマが報告されている。血液検査でCa上昇(卵黄蛋白産生亢進)と肝酵素上昇を確認する。X線検査で腹腔内腫瘤影と肺転移を評価する。開腹による肉眼的評価と組織病理検査で確定診断を行い、対側卵巣と卵管の評価も同時に実施する。
治療
【爬虫類における卵巣腫瘍(爬虫類)】 卵巣腫瘍(爬虫類)は腫瘍の組織学的型・グレード・局在・転移有無で治療方針が大きく変わる。確定診断は針生検またはincisional biopsyで取得し、TNM分類でステージングを完了。 外科的完全切除が可能なら広範マージン外科的切除を第一選択(推奨マージン2-3cm、攻撃的肉腫・MCT高グレードは3-5cm、種・部位・組織型で調整)。 切除不能例・残存例には化学療法(プロトコルは腫瘍型別、リンパ腫はCHOP、肥満細胞腫はビンブラスチン+プレドニゾロン等)または緩和的放射線療法。 オーナーの治療希望・予算・爬虫類のQOLを総合判断し、緩和ケア選択肢も提示する。 支持療法(爬虫類): 種別POTZ(preferred optimum temperature zone)維持が免疫機能回復の前提条件。輸液 25-30 mL/kg/日 SC/ICe(ノルモソルR、温熱)、強制給餌(Carnivore Care 等)、メロキシカム 0.2-0.5 mg/kg PO/IM q24-48h(NSAID持続投与時は腎機能をモニタ)。 【鑑別と経過観察】類似症候を呈する疾患の除外と、治療4-8週後の再評価が予後改善の鍵。重症度・併発症によっては爬虫類の専門医紹介を考慮する。
予防
爬虫類における卵巣腫瘍の予防には、ホルモン依存性腫瘍に対する早期避妊去勢手術(乳腺腫瘍・前立腺癌・精巣腫瘍・子宮腺癌・肛門腺癌等)が確立された予防策。発癌性物質への曝露回避(タバコの煙・農薬・タール・特定の合成樹脂)、適正体重維持、抗酸化物質を含むバランスの取れた食事、紫外線過剰曝露の回避が予防に寄与する。定期的健康診断(触診・画像診断・血液検査)による早期発見が最も実効性ある予防策。発癌性ウイルス予防(FeLV ワクチン)も重要。
予後
爬虫類における卵巣腫瘍の予後は組織型・悪性度・臨床ステージ・転移の有無・治療反応性により大きく異なる。確定診断(細胞診・病理組織検査)と病期診断(画像・所属リンパ節評価)に基づき、外科・化学療法・放射線療法を組み合わせた治療方針を決定する。早期診断・早期介入が予後改善の鍵となる。
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