ビタミンA欠乏症
概要
栄養欠乏により粘膜の扁平上皮化生と感染感受性の亢進を引き起こす。
主な症状
原因
必須栄養素の欠乏または過剰摂取が原因であり、不適切な食事組成、吸収障害、代謝異常、需要増大(成長期・妊娠期・泌乳期)が関与する。ビタミン・ミネラル・必須アミノ酸・必須脂肪酸の不均衡は骨格発育異常、免疫機能低下、皮膚疾患、神経障害など多彩な臨床症状を引き起こす。種特異的な栄養要求量の無視が主因となる。
病態生理
栄養性疾患の病態生理は必須栄養素の不足による生化学的経路の障害に基づく。カルシウム/リン不均衡では二次性副甲状腺機能亢進症により骨吸収が促進され、骨軟化・病的骨折が生じる。ビタミン欠乏は各ビタミンが関与する酵素反応の障害をもたらし、特異的な臨床症候群を引き起こす。タンパク質-エネルギー栄養障害では異化亢進、免疫機能低下、創傷治癒遅延が生じる。
治療
急性補充: 重症例(口腔プラーク、呼吸器症状)にはビタミンA(レチノール)5,000-10,000 IU/kg IM単回投与—ビタミンA過剰症(肝リピドーシス、骨変形)のリスクがあるためモニタリングなしの反復投与禁忌。経口補充: ベータカロテンが安全(鳥類肝臓が必要量のみ変換)。食餌転換が根治的治療: シード食をペレット+ベータカロテン豊富な野菜(サツマイモ、ニンジン、濃緑葉野菜、赤パプリカ)に置換。扁平上皮化生病変の二次感染: エンロフロキサシン15 mg/kg PO/IM q12hまたはアモキシシリン・クラブラン酸125 mg/kg PO q12h。口腔プラークは麻酔下で穏やかにデブリードマン。後鼻孔・副鼻腔への波及: 生理食塩水で鼻腔洗浄。臨床改善(口腔病変消退、呼吸器症状)を2-4週間隔でモニタリング。2-4週かけて食餌転換し体重を毎日測定。
予防
種特異的な栄養要求量に基づいた適切な食事の提供が最も基本的な予防策である。商業用総合栄養食の使用、手作り食の場合は獣医栄養学専門医による栄養設計、成長期・妊娠期・高齢期に応じた栄養調整が必要である。特定の種(モルモットのビタミンC、草食動物の繊維質)の固有な栄養要求を理解し、サプリメントで補完することが重要である。
予後
食事改善と栄養補充で予後良好。臨床症状は適切な栄養の開始後数週間で改善することが多い。重症例は残存障害を残す場合がある。
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