ビタミンD欠乏症
概要
ビタミンD3不足によりカルシウム代謝障害と骨格異常を引き起こす。
主な症状
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臨床徴候
インコにおけるビタミンD欠乏症の臨床徴候は欠乏または過剰の栄養素により特異的パターンを示す。カルシウム不足: 骨軟化・病的骨折・痙攣・成長不良。ビタミンA不足: 眼疾患・皮膚角化異常・夜盲・繁殖障害。ビタミンC不足(モルモット): 関節腫脹・出血傾向・歯周病・成長不良。タンパク質-エネルギー欠乏: 削痩・筋萎縮・低アルブミン血症・浮腫。ビタミンD/UV-B不足(爬虫類): 代謝性骨疾患・骨軟化。
原因
インコにおけるビタミンD欠乏症の原因: ビタミンD3不足によりカルシウム代謝障害と骨格異常を引き起こす。
病態生理
ビタミンD欠乏症はインコにおける代謝・内分泌疾患である。基礎病態はホルモンのフィードバックループ、酵素活性、または基質代謝の調節障害を伴う。循環ホルモン、電解質、代謝中間体のバランス異常が複数の臓器系にわたる細胞機能に影響を及ぼす。代償機構が一時的に恒常性を維持するが、最終的に代償不全に陥り、進行性の臨床的悪化と多臓器への影響を引き起こす。
診断
血液生化学でCa低下・P上昇・ALP上昇を確認しビタミンD欠乏に伴う二次性副甲状腺機能亢進症を評価。X線で骨密度低下・皮質菲薄化・病的骨折を検出。紫外線照射環境(UVBランプの有無・窓ガラス越しの日光はUVBを遮断)を詳細に聴取。食餌歴でビタミンD含有食品の摂取量を確認。インコ類では種子食偏重かつ室内飼育でUVB曝露がない環境がビタミンD欠乏の最大リスクであり、産卵雌では低Ca血症・卵塞が緊急事態となる。ペレット食移行とUVBランプ設置の指導が治療的診断介入となる。
治療
セキセイインコのビタミンD3欠乏症 — カルシウム代謝障害により低Ca血症・代謝性骨疾患・繁殖障害を引き起こす。シード食のみの室内飼育セキセイインコは特に罹患しやすい(シードにはビタミンD3がほぼ含まれない)。【急性管理(けいれん/テタニーを伴う症候性低Ca血症)】: グルコン酸カルシウム10%溶液50-100 mg/kg IV/IOを心臓モニタリング下で5-10分かけて緩徐投与、IV確保不可ならIM。【ビタミンD3補充】: コレカルシフェロール(ビタミンD3)500-1000 IU/kg PO 単回投与後、食餌に補充。鳥用ビタミンA+D3+E配合サプリメント。ビタミンD2(エルゴカルシフェロール)は使用不可 — 鳥はD2を活性代謝物に効率的に変換できない。【UVBライト(必須)】: フルスペクトルUVBランプ(波長290-320 nm)を止まり木から30-45 cmに設置、1日4-8時間照射。UVB球は6-12ヶ月毎に交換(可視光より先にUV出力が低下)。ガラス・プラスチックはUVBを遮断 — 直接照射またはメッシュスクリーン越しが必要。天候が許せば毎日20-30分の自然日光浴(過熱防止のため日陰アクセスを確保)。【食餌転換】: シード食からペレット食(Harrison's, Roudybush, Lafeber's等)に移行 — 適切なD3が含有。2-4週かけて段階的に転換し体重をモニタリング。繁殖鳥にはエッグフード補充。【カルシウム併用補充】: カトルボーンまたはミネラルブロック(自由摂取)、炭酸カルシウム粉末50-100 mg/kgを飼料に散布。【モニタリング】: 血中イオン化Ca・Pを2-4週間隔で測定。4-8週でX線による骨密度改善評価。産卵雌はD3/Ca要求量が高い — 卵詰まりに注意。参考: Stanford M (2006) J Exot Pet Med; Mayer J & Donnelly TM (2013) Clinical Veterinary Advisor.
予防
ビタミンD欠乏症の予防には適切な食事設計、血液検査を含む定期的な健康モニタリング、健康体重の維持、過剰なおやつや不適切な食事の回避、無症候性変化の早期発見時の迅速な介入が含まれる。
予後
ビタミンD欠乏症の予後: 早期治療で多くは良好。定期モニタリングで管理可能。
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