羽嚢腫
概要
毛包内で羽毛が被包化して皮下腫瘤を形成する疾患で、セキセイインコに多発。
主な症状
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原因
インコにおける羽毛嚢胞の原因は胚発生期の遺伝子変異または染色体異常である。遺伝様式は多様(常染色体優性・劣性、X連鎖、多因子遺伝)で、子宮内環境の異常、母体の感染症・薬物曝露・栄養欠乏も胎児器官形成に影響する。近交係数の高い純血種・特定の閉鎖個体群で発生頻度が高い。繁殖前の遺伝子検査と保因者除外プログラムが集団レベルでの発生抑制に重要。(インコは気嚢システムを持ち、ストレスで急変する)
病態生理
インコにおける羽毛嚢胞の病態生理は原因病態と進行段階により多面的に展開する。初期の局所組織傷害・機能異常から全身的代償機構の動員、最終的な臓器機能不全への進展という共通の流れがある。病態の進行は原因と宿主の免疫・代謝状態に依存する。早期発見・早期治療が予後改善の鍵。
治療
セキセイインコの羽嚢腫(羽毛嚢胞/羽毛毛包腫) — 非常に多く、特に英国種セキセイインコ(ショータイプ)、ルチノー、アルビノ系統に多い(長い羽毛への選択交配が原因)。発育中の羽毛が皮膚を突破できず毛包内で巻き込み、角化羽毛物質で充満した進行性の皮下嚢腫を形成。翼(初列風切羽)と体部に最多。【診断】: 触診で硬〜波動性の皮下腫瘤、FNAでチーズ様角質物質と羽毛断片の混合物。【保存的管理】: 小型で問題のない嚢腫はモニタリング可 — q4-8週で計測・写真記録。不快感や機能障害がある場合は短時間麻酔下で切開・内容排出 — ただし毛包除去なしでは再発確実。【外科的切除(根治的治療)】: イソフルラン麻酔下でラジオサージャリーまたはメス刃で毛包全体を切除。再発防止のため毛包内壁を完全除去 — キュレッテージ後に毛包基部を硝酸銀焼灼。複数嚢腫は段階的手術が必要。ラジオサージャリー、ヘモクリップ、局所止血剤(硫酸第二鉄)で止血。吸収性縫合糸(5-0〜6-0 PDSまたはバイクリル)または組織接着剤で皮膚閉鎖。術後メロキシカム0.5-1 mg/kg PO q12-24h×3-5日間。【複数再発性嚢腫】: 遺伝的素因のある英国種セキセイインコでは異なる毛包で新嚢腫が発生し続ける — 現実的な期待についてオーナーと相談。反復手術より切開排出の緩和的管理がより実用的な場合あり。【合併症】: 破裂嚢腫の二次細菌感染 — 感染時エンロフロキサシン15 mg/kg PO q12h。切除中の出血(翼羽毛包は高度に血管化)。【繁殖助言】: 罹患鳥は繁殖すべきでない(ショー系統で遺伝性)。参考: Reavill DR & Dorrestein GM (2010) Vet Clin North Am Exot Anim Pract; Schmidt RE et al. (2003) Pathology of Pet and Aviary Birds.
予防
インコにおける羽毛嚢胞の予防は原因病態の理解に基づく個別的アプローチが基本となる。適切な飼育環境(温度・湿度・衛生)、種特異的な栄養管理、ストレス低減、定期的健康診断による早期発見が共通する予防策。既知の誘因の回避と適切な医学的介入により多くの場合発症リスクを低減可能。
予後
疾患の重症度、治療開始の早さ、治療反応により異なる。早期の適切な治療介入で一般に予後改善。
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