熱傷・化学熱傷
概要
高温の表面、熱湯、腐食性化学物質との接触による組織損傷。
主な症状
原因
皮膚バリア機能の破綻と局所微小環境の変化が発症の基盤にある。感染(細菌・真菌・寄生虫)、アレルギー反応、自己免疫疾患、内分泌異常による被毛・皮膚の変化、栄養欠乏、物理的刺激(摩擦、持続的湿潤)、環境アレルゲンへの曝露が原因となる。皮膚の常在菌叢バランスの破綻や免疫防御の低下が二次感染のリスクを高める。
病態生理
皮膚疾患の病態生理は表皮バリア機能の障害と免疫応答の異常に基づく。アトピー性皮膚炎ではフィラグリン変異等による表皮バリア破綻がアレルゲン侵入を容易にし、Th2偏向の免疫応答が炎症を持続させる。IgE架橋によるマスト細胞脱顆粒がヒスタミン放出と即時型反応を誘導する。細菌性皮膚炎では常在菌(特にStaphylococcus)の過増殖と毒素産生により膿疱・紅斑が形成される。
治療
中等度〜重度熱傷は緊急: 室温(冷水でない)の水で即時冷却 — 患部を5-10分間穏やかにスプレーまたは浸漬。氷を適用しない(血管収縮が組織損傷を悪化)。熱傷深度評価: 第1度(紅斑のみ)— スルファジアジン銀クリーム外用q12h、メロキシカム0.5-1 mg/kg PO q12-24h;第2度(水疱、羽毛濾胞損傷)— イソフルラン麻酔下で遊離組織をデブリードマン、スルファジアジン銀またはハニーベース創傷被覆材を塗布、二次感染予防に全身性抗菌薬(エンロフロキサシン15 mg/kg PO q12h);第3度(全層皮膚欠損)— 外科的管理が必要。PTFE(テフロン)煙吸入: インコ特有 — 過熱したノンスティック調理器具がPTFEエアロゾルを放出し急性肺出血・肺水腫を引き起こす;鳥は数分以内に死亡しうる。初期暴露を生存した場合: 即座の新鮮空気/酸素補給、デキサメタゾン2-4 mg/kg IM、肺水腫にはフロセミド0.1-0.2 mg/kg IM;予後は重篤。化学熱傷: 温生理食塩水で十分に洗浄;可能なら原因物質を特定。全中等度〜重度熱傷に輸液: SC または IO輸液(LRS)を維持量の1.5倍で不感蒸泄を補償。経口摂取困難時にクロップチューブ給餌(ハリソンリカバリーフォーミュラ)。温度環境: 低体温予防に30-32℃を維持(熱傷皮膚は体温調節を喪失)。
予防
適切なスキンケア(定期的なブラッシング・シャンプー療法)、ノミ・ダニの予防、アレルゲン曝露の最小化が基本的予防策である。バランスの取れた食事(必須脂肪酸・ビタミン含有)による皮膚バリア機能の維持が重要である。アトピー素因を持つ個体では環境アレルゲンの管理と早期の減感作療法が慢性化予防に有効である。皮膚の異常は早期に獣医師の診察を受けることが推奨される。
予後
疾患の重症度、治療開始の早さ、治療反応により異なる。早期の適切な治療介入で一般に予後改善。
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