← トップへ戻る
トカゲ (Lizard) その他 緊急

パスツレラ症

Pasteurellosis / パスツレラ症

概要

猫やネズミの咬傷からのパスツレラ感染による敗血症。

主な症状

※ 症状をクリックすると、その症状を示すトカゲの他の疾患を確認できます

臨床徴候

トカゲにおけるパスツレラ症の臨床徴候は感染部位と病原体特性により多様だが、共通所見として発熱・元気消失・食欲不振・体重減少が認められる。局所感染では発赤・腫脹・疼痛・排膿を、全身感染では脱水・敗血症・多臓器不全に進展しうる。幼若・高齢・免疫抑制状態は重症化リスクが高く、早期介入が予後改善に直結する。

原因

トカゲにおけるパスツレラ症の原因: 猫やネズミの咬傷からのパスツレラ感染による敗血症。

病態生理

トカゲのパスツレラ症はPasteurella multocida等による細菌感染で、猫・犬の咬傷が最も重要な感染経路。猫の口腔にはP. multocidaが常在(有病率70-90%)しており、猫の咬傷→P. multocida侵入→蜂窩織炎/膿瘍→菌血症→敗血症。トカゲの放し飼い環境での猫との遭遇が典型的な発症シナリオ。咬傷部位は小さくても(猫の犬歯は穿通性)深部に達し重篤な感染を引き起こす (Mader DR. 2019)。

診断

病変部(咬傷・皮膚潰瘍・膿瘍・呼吸器分泌物)からの細菌培養でPasteurella属を分離・同定。感受性試験が治療方針に必須。哺乳類(犬・猫・げっ歯類)による咬傷歴の聴取が重要(Pasteurellaは哺乳類口腔内常在菌)。CBC(ヘテロフィル増多・左方移動→急性感染)・血液生化学で全身状態と敗血症リスクを評価。X線で骨髄炎・呼吸器感染を確認。血液培養で菌血症を評価。傷部の深達度と周囲組織への波及を視診・触診・超音波で評価。

治療

トカゲにおけるパスツレラ症 (Pasteurella multocida): ① 第一選択: エンロフロキサシン 5-15 mg/kg PO/SC q12-24h × 14-30日(ウサギの慢性例は3ヶ月以上)、ペニシリン G 40,000-60,000 IU/kg SC q24h(ウサギは経口β-ラクタム禁忌、SC/IMのみ)、トリメトプリム・スルファ 15-30 mg/kg PO q12h。② 鼻腔・上気道炎(snuffles): ネブライザー(生食 + ゲンタマイシン 50 mg/4 mL)q8-12h。③ 皮下膿瘍は外科的切開・除去(マルセイン化)が再発予防に重要—単純な切開排膿は不十分。④ 中耳・内耳炎: 全身抗菌薬 + 鼓室洗浄、ステロイド使用は議論あり(短期低用量のみ)。⑤ 慢性キャリア・群飼育: 感染個体の隔離、新規導入時の鼻腔培養スクリーニング。支持療法(爬虫類): 種別POTZ(preferred optimum temperature zone)維持が免疫機能回復の前提条件。輸液 25-30 mL/kg/日 SC/ICe(ノルモソルR、温熱)、強制給餌(Carnivore Care 等)、メロキシカム 0.2-0.5 mg/kg PO/IM q24-48h(NSAID持続投与時は腎機能をモニタ)。

予防

パスツレラ症の予防には適切な衛生管理・消毒、利用可能なワクチン接種、創傷の迅速な処置、ストレス軽減、適切な換気、感染動物の隔離が含まれる。

予後

パスツレラ症の予後: 早期治療で多くは良好。定期モニタリングで管理可能。

関連する薬品

💊 エンロフロキサシン 💊 ゲンタマイシン 💊 メロキシカム

※ 薬品名をクリックすると詳細な投与量・副作用情報を確認できます

その他の他の疾患(トカゲ)

トカゲの全疾患を見る →

VetDictでトカゲの鑑別診断を行う

症状チェッカーを使う

関連する疾患

敗血症 (共通2症状) 緑膿菌感染症 (共通2症状) 丹毒 (共通2症状) 側頭腺膿瘍(トカゲ) (共通2症状) フトアゴヒゲトカゲアデノウイルス(トカゲ) (共通2症状) パラミクソウイルス(トカゲ) (共通2症状) アデノウイルス感染(トカゲ) (共通2症状) イリドウイルス(ラナウイルス)(トカゲ) (共通2症状)
📋 トカゲの疾患一覧を見る →
※ 本ページの情報は獣医学的参考資料であり、診断・治療の代替ではありません。実際の診療は必ず獣医師にご相談ください。
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。