卵詰まり(難産)
概要
鳥における代謝性の生殖器系疾患。卵詰まりは適切な診断と治療管理が重要である。早期発見と適切な介入が予後改善の鍵となる。
主な症状
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臨床徴候
鳥における卵詰まりの臨床徴候は気道閉塞・換気障害の部位により異なる。上気道: いびき・吸気性ストライダー・運動不耐性・吸気性チアノーゼ。気管: 短く乾性の発作的咳(gander-honk)・ストライダー(気管虚脱)。下気道: 慢性咳・呼気性呼吸困難・喘鳴・換気不全(喘息・COPD様病態)。突発的悪化はストレス・運動・気温変化で誘発される。
原因
鳥における卵詰まり(難産)の原因: カルシウム欠乏症(最重要因子、特に食事が不十分な種では深刻)、肥満(狭い総排泄腔が産卵障害の原因)、栄養不良(プロテイン・ビタミンA欠乏)、卵管炎(細菌感染)、卵管無力症(ホルモン不均衡、若年初産、老齢での産卵)、不適切な飼育環境(巣材不足、温度低下)、過度のストレス、多産による卵管疲弊。
病態生理
卵詰まり(難産)は鳥における生殖器疾患である。ホルモンバランスの異常、構造異常、または生殖器への感染過程を伴う。性ホルモンの調節障害は生殖器官の嚢胞性変化、過形成、または腫瘍形成を引き起こしうる。産科的合併症は機械的閉塞や代謝異常を引き起こし、母体と産子の両方を脅かす。生殖器の二次細菌感染は全身性敗血症に進行しうる。
診断
触診(腹部膨満・総排泄腔近傍の卵殻触知)。X線検査(卵殻の石灰化度・位置・骨髄内骨の評価:polyostotic hyperostosis は産卵鳥の生理的所見)。血液生化学(総Ca著明上昇は産卵活動、イオン化Ca低下は低Ca血症性卵塞を示唆)。CBC。鳥類は横隔膜がないため腹腔内の卵による気嚢圧迫が呼吸困難の直接原因となる。超音波検査(卵管内卵・卵管壁肥厚・腹腔内遊離卵黄の検出)。低Ca血症性卵塞では筋力低下・振戦・痙攣を呈する。
治療
鳥における卵詰まり(難産)の緊急治療: まずグルコン酸カルシウム50-100mg/kg IM(緩徐投与)で子宮筋収縮力を回復。カルシウム投与20-30分後にオキシトシン3-5IU/kg IM(カルシウム投与前のオキシトシン単独投与は効果不十分)。温浴(35-38℃)と高湿度環境(70-80%)で筋弛緩を促進。総排泄腔に水溶性潤滑剤を塗布。静かで暗い環境に安置(30-60分間隔で排卵を確認)。内科的管理に反応しない場合、経総排泄腔的に卵殻を穿刺・吸引し圧壊排出。それでも排出不能な場合は全身麻酔下で外科的卵管切開術。術後はブプレノルフィン鎮痛、補液、保温。慢性的な卵詰まりにはホルモン治療(リュープロライド酢酸塩700-800μg/kg IM)または卵管摘出術を検討。
予防
鳥における卵詰まりの予防は環境因子の管理が中心。タバコの煙・室内塵・化学香料・粉塵への曝露回避。気管虚脱: 適正体重維持、ハーネス使用(首輪回避)、誘発因子(興奮・暑熱・脱水)の管理。喘息(猫): アレルゲン特定と回避、室内環境改善。
予後
鳥における卵詰まりの予後は気道・肺病変の部位と重症度、基礎疾患により異なる。早期診断と病態に応じた適切な治療・モニタリングにより多くの症例で良好な経過が期待できるが、進行例・合併症を伴う例では予後が悪化しうる。
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